文武両道でメジャーリーガーになれた秘訣 専攻は経営学に心理学「自分の優先順位が重要だね」
「キャンパスライフを犠牲にした」と振り返る学生時代
どのようにスポーツと学業を両立していたのか。アダムズは「キャンパスライフを犠牲にした」と明かす。
「大学には学業面、スポーツ面、キャンパスライフ面があると思うんだ。僕の場合はキャンパスライフを犠牲にして学業とスポーツに集中していたかな。自分のキャリアにとって大切なことを選んで、何かを犠牲にしなきゃいけないね」
両親の教えにより、励んだ学業。しかし、“やらされた”わけではなかった。「心理学にはもともと興味があった。野球はとてもメンタルが重要なスポーツだから学ぶのは楽しかったよ。それを野球や日々の生活に生かせられるのは楽しいね」。教室での学びを野球以外にも還元。勉強も好きだから続けられた。
大学3年時の2017年にドラフト指名されたブルージェイズに入団。そのため、卒業はしていない。「まだ学位は持っていないけど……」と将来、大学で学びなおす可能性もある。これから文武両道を目指す学生アスリートには、こんなアドバイスを送った。
「自分にとっての優先順位を理解することが重要だと思う。大学1年の時、先輩から教えてもらったんだ。大学には学業、スポーツ、キャンパスライフがある、ってね。1日で3つ全てやることはできない。自分にとって重要なことを選ばなきゃいけないんだ。僕にとってはそれがスポーツと学業だった。最もシンプルな方法がこれだと思う」
21年のメジャーデビューから1年ごとに打席を増やし、今季で4年目を迎えた。ここまでチームの捕手3人のうち最も多い14試合に出場した27歳。打率.250、2本塁打をマークした。肉体とともに鍛えてきた頭脳をフル回転させ、マスクを被っている。
(THE ANSWER編集部・土屋 一平 / Ippei Tsuchiya)