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「まるで成瀬さん」 横浜・村田浩明監督が大苦戦の左腕を称賛 浦和実・石戸颯汰をとらえた“ボール1個”の修正

同点となる適時二塁打を放った横浜・奥村凌大【写真:中戸川知世】
同点となる適時二塁打を放った横浜・奥村凌大【写真:中戸川知世】

事前対策との違いを発見した奥村凌「思っているよりも1個外を…」

 ようやく反撃に転じたのは5回だ。1死から「1番・中堅」の阿部葉太(2年)が左翼への二塁打で出塁。2死後打席に立った「3番・二塁」の奥村凌大(2年)は、一塁線をゴロで抜く適時二塁打を放ち同点とした。さらに1年生ながら4番に座る小野舜友(1年)が中前に勝ち越し打で3-2。この1点のリードを守り抜いた。

 準々決勝でつくば秀英を4安打完封している石戸の対策は、横浜も抜かりなく進めていたという。ただ同点打の奥村凌は「想定していたよりも全然良くて……。ストレートがスライダー回転していて、いつも通り打つとファウルにしかならなかった」。ナチュラルに変化する直球をとらえきれなかった。

 ただ、横浜ナインの問題解決能力はさすがだった。奥村凌は3回、見逃し三振に倒れた際に小さな変化に気づき、ベンチに持ち帰った。すぐにナインは話し合って「思っているよりもボール1個外を打ちにいこう」と、たったボール1個分の違いを狙っていこうと意思統一。奥村の適時打は、低めの直球が変化するのに合わせて打ち返したものだった。

 決勝打の小野は「明日勝たないと意味がない。選抜よりもまず明日の決勝戦」と、2007年に慶応を破って以来遠ざかっている秋の関東一に全力で挑むつもりだ。東農大二(群馬)との準々決勝も2-0という僅差をものにしているこの秋の横浜。健大高崎との決勝はどんな戦いになるだろうか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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