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「なぜ頑張った自分を信じないの」 バドミントン・小椋久美子が高校生に伝えたエール

高3の女子生徒から飛んだ質問「高校でバドミントンをやめるんですけど…」

 生徒たちは小椋さんの経験談に引き込まれた。北京五輪で5位になった選手でさえも、自分たちと同じ年齢の頃に大きな悩みを抱えていたことを知る。

 小椋さんは2000年の高校2年でインターハイダブルス準優勝、翌年の全国高校選抜でシングルス準優勝。競技人生で初めて日本一になったのは三洋電機入社後の2002年、全日本総合選手権シングルスだった。どの時代でも高校生の大きな目標として存在するインターハイ。集大成の場を失った選手へ、高い目標を持つことが前に進む原動力であることを熱心に伝えた。

「初めて(全国大会で)優勝できたのが19歳。今の日本代表選手を見ても、小学生、中学生でタイトルを獲っている選手が多くて、19歳で初優勝する選手ってそんなにいないですよね。自分が思い続けないと、目標以上の結果は出ないんだと教えてもらえた。あの高校の厳しさと目標を高く持つことの大切さを教えてもらえなかったら、私は社会人になって成績が出る選手には絶対になっていなかったなと思いますね」

 続いて行われたのが、「技術」「メンタル」「将来」の3つの項目に分けた質問コーナー。高校時代の悩みを告白した小椋さんの前には、積極的な高校生たちがいた。

「家でできるトレーニング方法はありますか?」
「サーブはどうやってうまく入れられますか?」
「スマッシュを速く打つ方法を聞きたいです」
「試合前の緊張のほぐし方を知りたいです」

 次々とパソコン越しに飛んでくる質問。小椋さんは一つ一つ丁寧に打ち返した。

「ステップ系がいいと思う。バドミントンは動き出しの1歩目が凄く大事だから」
「二重跳びはやる? 私も高校生の時はできなくてずっと怒られた(笑)」
「とにかく練習をやり込まないとサーブはうまくならない。サーブはネットの手前で山を作ること。意味わかるかな?」
「スマッシュは足が強い人が速いの」
「私ももの凄く緊張しいで……」

 言葉だけでは伝えるのが難しい技術的な問いにも、身振り手振りを交えて一生懸命に返す。小椋さんの口から飛び出すのは「あとはね」「これもあってね」「ちょっと奥が深い話をしてもいい?」「あっ、もう一つ忘れてた!」という豊富な答え。1時間と限られた中で少しでも多く伝えようと熱意に溢れていた。

 思いもよらぬ引退時期が訪れた今の高校3年生。熱心なやり取りが続く中、ある女子選手からこんな質問が飛んだ。

「自分は高校3年生でバドミントンをやめるんですけど、バドミントンの一線から離れた時にバドミントンで学んだことを生かせたことってありますか?」

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