[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

オリンピックはなぜ「五輪」と言う? 言葉の由来は…文字数に悩む同僚救った新聞記者の「大発明」

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

オリンピックが五輪と呼ばれている理由を解説【写真:ロイター】
オリンピックが五輪と呼ばれている理由を解説【写真:ロイター】

「シン・オリンピックのミカタ」#7 連載「オリンピック・トリビア」第4回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

【注目】THE ANSWERの姉妹サイト、スポーツを楽しむすべての女性を応援するメディア「W-ANS ACADEMY(ワンス・アカデミー)」はこちら!

 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第4回は「オリンピックは、どうして『五輪』っていうの?」。

 ◇ ◇ ◇

Q.オリンピックは、どうして「五輪」っていうの?

A.新聞の見出しに「オリムピック」が長かったから。

【解説】

 初めて「五輪」がオリンピックを指す言葉として使われたのは今から88年前、1936年のベルリン大会前でした。発案したのは、読売新聞運動部の川本信正記者。100年近くたった今の定着ぶりを考えれば「大発明」です。

 東京が40年大会の招致を目指していたことで、新聞には「オリムピック」(当時の表記)の文字が数多く躍っていました。見出しをつけるレイアウト担当を悩ませたのが言葉の長さ。新聞の見出しは短い方がいいため「どうにか短く言い換えはできないか」と頭を悩ませていたのです。

 レイアウト担当から相談を受けた川本記者の頭に浮かんだのが「五輪」という文字。クーベルタン男爵が考えたオリンピック旗は世界の5大陸を表す5つの輪でできている。さらに「ゴリン」は「オリムピック」の冒頭の響きに似ている。宮本武蔵が著した「五輪書」もヒントになったといいます。

 読売新聞が始めた「五輪」の表記は、すぐに他の新聞も採用。主に活字メディアで「オリンピック=五輪」になり、それが一般にも浸透しました。かつては「五輪」は書き言葉でしたが、今や選手たちの会話の中にも「パリ五輪」など「五輪」が出てくることが珍しくなくなりました。

 ちなみに、同じ漢字を使う中国では、音に合わせて「奥林匹克」と表記しています。「恋人よ」で知られる歌手五輪(いつわ)真弓さんの五輪は、一家のルーツがある長崎・五島列島の久賀島にある五輪(ごりん)という地名からだそうです。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


W-ANS

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集