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貧血、体重、生理、「女性アスリートの身体の問題」が解決しない理由 有森裕子の考え

生理も含め毎日つけた練習日誌、今の選手へ「ノートに書くこと」を提案

「練習日記」をつけることも、自分を知り、言葉で伝える力をつけることにつながる習慣の一つ、と有森さん。ただし、今の学生や選手にはあえて「アプリに頼らず、ノートに書くこと」を提案する。

「私は今一度、ノートの重要性について、声を大にして言いたいです。今の子って、何でもデータ化しようとするでしょう? でも、そんなのいらない。むしろアナログでやることで、得られる情報はたくさんあるんです。

 アプリは今風で記録もしやすくていいのだろうけれど、スマホの画面では一発で見られる情報に限りがあるし、いちいち(項目を)開かなければいけません。でも、ノートは日々、記録したことが簡単に見渡せる。体調を見比べたいときも一目瞭然です」

 有森さんは、高校時代はノートを半分に切った自作の練習日記を使い、実業団時代は会社から配られたノートを練習日誌にした。そして、生理の日は見開きの年間スケジュールに「ハートマーク」をつけて記録。そのページを開けば1年間の生理の記録を、一目で確認できるようにした。

「グラフや記録のつけ方、表現を自分なりに考えると、自己管理がすごくやりやすい。経血量が減っていくにしたがって、ハートの形がどんどん欠けていくように書き込んだりしていましたね。私、そういうことを考えるのも大好きだったから。

 それから、スマホって文字を『打ち込む』でしょう? 打った文字って、当たり前ですがいつどんなときに打っても、同じですよね。でも、書く文字は違う。機嫌や調子がいい日、悪い日で、文字の感じは変わるんです。

 ノートの行を完全に無視して殴り書きする日もあれば、キレイに書き込む日もある。で、文字の調子とタイムの記録、生理マークの付く日を見比べると、いろいろつながっていると気づくんです。こんなに面白いことはないですよ。

 すると、『あ、生理前だから今日は機嫌が悪いな』とか『明日はこんな気分になるかも』とか予想もできるようになる。自分にも周りに対しても、気持ちよく過ごせるようになりますよ」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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