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8割が陥る“股ずれ” 女子競輪選手と体、「恥ずかしいから」相談できない深刻な現実

「恥ずかしいから相談しない」選手が多く、診察経験者はたった2割だという【写真:編集部】
「恥ずかしいから相談しない」選手が多く、診察経験者はたった2割だという【写真:編集部】

診察経験はたった2割「恥ずかしいから相談しない、だから医師も気付かない」

「股ずれの予防はまめな洗浄と保湿がカギ。特に暑い時期は、同じレースパンツを1日中着用するだけも、発症のリスクが高まります。汗をかいたらまめにレーサーパンツを代える、ウォシュレットで洗い流すだけでも、症状は軽減できる。ところが、4割の選手は予防対策を知らなかった」

 しかも、股ずれを起こした選手のうち、病院での診察経験があると答えたのはたったの2割。医師に相談した経験がある選手に至っては、1割にも満たなかった。その背景には、デリケートな問題だけに、男性医師に打ち明けにくいという心理がある。

「選手は助けを求められないほど、恥ずかしい症状だと感じています。恥ずかしいから医師に相談をしない。だから医師も股ずれの問題に気づかないし、治療・ケアもできない。でも、見せられない、相談できないからと放置しては、パフォーマンスの低下や病気のリスクが高まるし、競技人生を縮めることにもなりかねない。問題を放置すれば、すべてがマイナスに働く。9割の選手が治療・相談のできる女性医師を希望していますが、安心して相談できるドクターがいるだけで状況は改善する」

 修士論文を通し、環境改善の声を上げた沖氏。まずは、多くの人が現状を知ることが大事だったと話す。

「競技にはルールがあります。簡単にサドルを代えたり、種類を増やしたりはできないし、この論文をきっかけに、今すぐ現状をガラリと変えてほしい、と訴えたいのでもない。必要なのは選手が抱える問題を、選手と指導者が共有し、理解すること。男性の指導者には、デリケートな問題のため女性選手が相談できずにいる現状を、選手には予防の意識を高めると同時に、医師や指導者に助けを求めることは恥ずかしいことではないと知ってほしい。そして、現場と医療機関の連携を構築することが重要です」

 さて、女子競輪選手が引退を決断する理由は、実力や身体的理由だけではない。世界を見渡せば、40代、50代のプロの女性サイクリストがいる。「日本は今後、結婚・出産・子育てと競技生活の両立が課題」と沖氏。

「ガールズケイリンがスタートして7年目。デビュー当時は独身だった選手も、年齢を重ね、そろそろ結婚・出産を考えるようになります。また、競輪選手は同業者で結婚するケースが多いため、子どもが生まれれば、保育所の問題が出てくる。レースの前は合宿所で生活しますし、レース場は全国に点在。スケジュールも変則的です。今のままでは、家庭と仕事の両立が難しくなり、実績のある選手たちが現役続行を断念せざるを得ません。

 でも、いい選手には、長く競技を続けてほしい。結局は魅力ある選手がお客さんを呼び、それが自転車の世界の発展や人気にもつながります。今後は運営側が、女性選手のライフステージにあった保障や環境整備に取り組む必要。この問題は競輪だけでなく、競艇(ボートレース)や競馬も、直面しているのではないでしょうか」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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