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結婚・出産は「いずれできれば、くらい」 五輪も世界1位も経験…自然体に考える女性アスリートとしての幸せ――バドミントン・福島由紀

3月8日が「国際女性デー」と国連で定められてから、今年で50周年を迎える。2021年から女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた特集「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を実施してきた株式会社Creative2は、節目の年となることを記念して、今年は「女性の生き方を考える」をテーマに運営する3つの媒体で企画を展開する。

福島由紀(左)は松本麻佑とのペアでキャリアの新たな一歩を踏み出した【写真:Getty Images】
福島由紀(左)は松本麻佑とのペアでキャリアの新たな一歩を踏み出した【写真:Getty Images】

「国際女性デー特集」第2回・福島由紀(バドミントン)

 3月8日が「国際女性デー」と国連で定められてから、今年で50周年を迎える。2021年から女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた特集「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を実施してきた株式会社Creative2は、節目の年となることを記念して、今年は「女性の生き方を考える」をテーマに運営する3つの媒体で企画を展開する。

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「THE ANSWER」では姉妹サイト「W-ANS ACADEMY」と連携し、各競技で世界のトップに立った経験がある3人の日本人女性アスリートにインタビュー。第2回は、バドミントン女子ダブルスで東京五輪に出場した福島由紀(岐阜Bluvic)。31歳にして新ペアで現役続行を決断した経緯を明かし、女性アスリートとしてのキャリア選択について語った。

 ◇ ◇ ◇

 アスリートのキャリアは選択の連続である。

 特に女性の場合、結婚・出産などのライフステージが絡み、「いつまで現役を続けるべきか」「出産して、また復帰できるのか」と悩みを抱えることも少なくない。最近、競技人生で大きな決断を下したのが福島由紀だ。

「フクヒロ」の愛称で長年親しまれ、コンビを組んできた廣田彩花とのペアを解消。松本麻佑との新たなペア結成を昨年9月に発表した。廣田とは2017年から世界選手権3年連続銀メダル。ダブルス世界1位にも君臨したが、金メダル有力候補だった2021年東京五輪は廣田の膝の怪我の影響もあり、8強止まり。雪辱を期した2024年パリ五輪は再び廣田の膝の故障が響き、今度は代表レースで涙を呑むことに。

 去就が注目される中で、新ペアにチャレンジする選択は世間を驚かせた。

「パリ五輪レースが4月に終わってから、今後どうしようか迷っていた。一度はお休みをもらって、初めて沖縄に旅行に行ったり、実家に帰って友人と遊んだりして。正直、『もう、いいかな』とよぎった時期もある。でも、体はまだまだ動く。よく引退された方から『もうちょっと、やっておけばよかった』『まだまだやれたんじゃないか』と、後になってそう思うと聞く。自分もここで辞めたら、たぶん後悔する。私には、まだ引退はない。そう思っていた時、松本との話が持ち上がって……」

 松本といえば、永原和可那との「ナガマツ」で2018年から世界選手権連覇、東京・パリと五輪2大会連続出場と活躍した。フクヒロと同じ時期にペアを解消。ライバルだった世界ランク1位経験同士でペアの組み替えになった。

 従来、日本代表は同じ所属チームでペアを組んでいたが、松本とは異なるチームの所属だ。練習拠点も福島の岐阜と松本の神奈川では距離もある。普段は松本が時間が許す限り、福島の練習拠点に足を運んで練習をしている。

 しかし、変化は新鮮で、長いキャリアに彩りを与えた。

「松本は『こうやりたい』という想いが強くて、それをしっかりと伝えてくれるタイプ。私も『こうしたい』というのはあるけど、コミュニケーションが取れるからやりやすい。短い時間でどう合わせるか集中してできる分、質の高い練習ができる。試合を終えての反省も練習で詰めながらやれているのは、すごく良い形だと思う」 

 全体練習が「2、3日くらい」の状態で初出場した11月の熊本マスターズでいきなり決勝進出。12月の全日本選手権で4強。そして、年明けに行われたワールドツアー・マレーシアオープンで優勝し、瞬く間に世界のトップ戦線に躍り出た。

 決断から半年、「特に考えてもいなかった」という2028年のロス五輪の出場が早くも期待される存在になっている。

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