結婚・出産は「いずれできれば、くらい」 五輪も世界1位も経験…自然体に考える女性アスリートとしての幸せ――バドミントン・福島由紀
31歳になってもバドミントンで幸せを感じられる理由
これまでのキャリアを振り返っても、大切な選択はいくつもあった。
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熊本出身だが、高校は「ここなら強くなれる」と地元を離れ、本州最北端・青森の強豪・青森山田に進学。帰省は正月の年1度だけという環境で腕を磨き、3年生でインターハイを制覇すると、一気にキャリアが花開いた。卒業後の活躍は前述の通り。
バドミントン一筋だった福島。幼少期からバドミントン以外の道は描いておらず、「もし、バドミントンをやっていなかったら、自分は何をしていたんだろう」と思うことがある。でも、想像はつかない。周囲には結婚・出産する友人も増えた。
「いずれできればいいな、くらいには思ってますけど、出産については(年齢的に)多少はやっぱり不安はあります。今1人で頑張っている分、今後がどうなるんだろう……とも思います。でも、私のなかで最優先はバドミントンなので」
そんな風に自然体でいられるのはバドミントンをやっている時間が幸せだからだ。
ジュニア時代から勝つことだけを求めてラケットを握り続けた。「バドミントンが楽しくなかった」。しかし、28歳で迎えた東京五輪を終えた頃からバドミントンの本質的な面白さに触れ、若い時とは異なる感覚でのめり込んだ。「まだまだ自分は上手くなれる」。そう思って31歳の今も成長を感じられることが何よりの喜びという。
引退後のプランを聞くと「趣味を作りたい。趣味があまりないので……。大型バイクの免許を取ってみたい。あとはバンジージャンプもやってみたい」と明るく笑うが、女性として、アスリートとして、福島は自分らしく道を歩んでいく。
■福島 由紀 / Yuki Fukushima
1993年5月6日生まれ、熊本県八代市出身。岐阜Bluvic所属。9歳でバドミントンを始め、青森山田高では3年生時にインターハイ女子シングルス準優勝、女子ダブルス優勝。実業団チームに入部後、廣田彩花とペアを組み、2017年から3年連続で世界選手権大会銀メダル獲得、2020年の全英オープンで優勝するなど数々の国際大会で活躍。2021年の東京五輪ではベスト8。パリ五輪レース後の2024年9月に廣田とのペアを解消した。同年9月に松本麻佑と新たにペアを結成し、2025年1月に行われたワールドツアー・マレーシアオープンで優勝。世界への挑戦を続けている。
(THE ANSWER編集部)
