女子生徒に短髪強制、恋愛禁止…「子供が嫌がるルールって必要?」 女の子のスポーツ離れに世界的金メダリストからの警鐘
女の子がスポーツを選ぶことのメリットとは
――ミッシーさんはロールモデルの存在を大切にされています。欧米のアスリートはミッシーさんのように社会的なメッセージを発信される方が多く、スポーツの枠を飛び越えて憧れの対象になりやすいです。日本はどちらかというと、自分自身や自分のスポーツのことは語りますが、政治や環境など、社会的な領域には言及を避ける風潮もあると言われています。アスリートの社会的責任や役割をどうとらえていますか?
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「それは、凄く興味深いですね。アスリートに限らず、一般的に表に出てロールモデルになり得る人は、(全員にとって)必要はないけど、自分が情熱を持っているものを、認知を一般的に高めるために『自分』というプラットフォームを使っていくといいのではないかと考えます。人によって何に情熱を持つのかは違いますが、アスリートなどのロールモデルになり得る人であれば、自分のプラットフォームを使ってパッションのあるものをどんどん発信していく役割を担えるといいと思います」
――今回は女の子のスポーツ離れについてお聞きしましたが、そもそもスポーツを最初に選んでもらうことも大切です。幼少期には勉強、ゲーム、音楽、SNSなど、様々な選択肢がある中で、スポーツが人を育てること、スポーツが魅力的な理由を聞かせてください。
「スポーツが魅力的と思うのはソーシャル面です。人との関わりという部分で素晴らしい。私のチームメートは、人生において私のベストフレンドであり続けましたし、同じ場所に集って、一緒に体を動かして、一緒にいろんな楽しい体験をする。若い女の子にとって、そんなコミュニティを作るのはとても大事です。そして自分のことを支えてくれて、自分のことを愛してくれる人たちがいると理解できる。もちろん、全員がスポーツをやった方がいいわけではないですが、スポーツをやりたいと思っている子には、ぜひやってもらいたいと思っています」
■ミッシー・フランクリン・ジョンソン / Missy Franklin Johnson
1995年5月10日生まれ。競泳元米国代表。背泳ぎと自由形で活躍し、17歳で出場した2012年ロンドン五輪は背泳ぎとリレーで金メダル4個、銅メダル1個、2016年リオデジャネイロ五輪はリレーで金メダル1個を獲得。世界水泳は2013年バルセロナ大会の史上最多1大会6冠を含め金11個、計16個のメダルを獲得している。2015年からローレウス・アンバサダーを務め、2019年にローレウス・ワールド・スポーツ・アカデミーに史上最年少メンバーとして加わった。また、同年にはローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団の評議員となり、ローレウス財団の世界中での活動の監督・指導を行う。ジェンダー平等のためのツールとしてスポーツの活用に情熱を注いでいる。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)