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女子スポーツのこれからに必要なこと 集客、メディア露出など現役WEリーガーも討論

Number編集部メディア・プロデューサーの藤森三奈氏(左)とDAZN JAPAN Vice President Communications & PRの松岡けい氏
Number編集部メディア・プロデューサーの藤森三奈氏(左)とDAZN JAPAN Vice President Communications & PRの松岡けい氏

日本初の女子プロサッカーリーグ誕生も、手放しでは喜べない理由

 9月に開幕したWEリーグ。当事者たちはどのように感じていたのだろうか。練習終わりにオンラインでディスカッションに合流した荒川選手は「WEリーグの開幕が決まっても、テレビで取り上げていただけていたけど、知らない人が多かった。正直、さらーっと始まったなという感覚だった」と語り、田中選手は「サッカー界のなかでは一大イベントというのを感じたけど、関わっていない人たちの盛り上がりはそんなになかった」と口にした。

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 メディアに取り上げられる秘訣として、Number編集部の藤森氏は「たくさん発言すること」を提案した。

「ミックスゾーン(取材エリア)はもちろんですが、自分をさらけ出していただきたい。それがメディアにとっては協力的な選手という位置づけになり、何かあったときにはすっと手を差し伸べたいと思えるようになる。SNS上でも対面でも、できるだけ自分の個性をアピールする。それがファンサービスにもつながるし、皆さんの個性を知ることにもつながる。それがあって皆さんの、WEリーグのストーリーができると思う」

 DAZNの松岡氏からは、「“女性アスリート”として取り上げられやすいと思うが、いちアスリートとして取り上げてもらうためにはどうすれば伝えられると思うか」という質問が飛ぶ。この質問に対し田中選手はトレーニング法などのプライベートとプレーの両方をバランスよくやることが大事だと感じている。

「サッカーをしていてサッカーに興味がある女の子からはトレーニングや1日の過ごし方についての質問が来るので、個人的にはそういうものを発信していかないといけないと思っている。ただ見せ方については海外の選手がうまいので、そこは真似しないといけない。メディアの方には選手のパーソナリティ含めて、トレーニングの仕方を、サッカーをあまり見ない人たちにはプライベートを見せること、どんな人なのかから入ってもらってサッカー選手なんだと知ってもらう。難しいけど、その二つをバランス良くやらないといけない」

 その一方で、2度のW杯と五輪の出場経験を持ち、メディアの取り上げられ方で浮き沈みを経験している荒川選手は、「こちらが求めるばっかりではいけないのかな」と指摘。「選手も、人の心を動かせるプレーを一人ひとりがもっと追求していかないといけないと思う」とプレーの質を高めることも大事だと語った。

 司会を務めた長田氏から「地域との関係性」について話題が及ぶと、岡島チェアは「ホームタウンというのを一つひとつのクラブが持っていて、プロモーション活動などを行っている。Jリーグで結果を出している事例もあるので、そこを参考にゆくゆくは選手がアイデアを出して地域コミュニティを作ってほしい」と語った。

 東京五輪で多くの女性アスリートの活躍を目にし、スポーツチャンネル「DAZN」ではUEFA女子チャンピオンズリーグやWEリーグも見られるようになった。このタイミングで開催された今回のパネルディスカッションは、スポーツと女性のこれからについて考える良いきっかけとなったに違いない。

(THE ANSWER編集部)


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