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シュワちゃんの大胸筋に受けた衝撃 なぜ「バズーカ岡田」はそんなに体を鍛えるのか

「何者か」になりたくて鍛えているわけではない

 シュワルツェネッガー信仰に始まり今に至るまで、年代によって変遷はあるものの、トレーニングをしなかった時期はありません。子どもの頃は憧れのシュワちゃんに近づきたいがために鍛え、柔道部員だった高校・大学時代は、競技者として強くなるためのトレーニングに取り組みました。

 その後、トレーナーになると決めてからは、人を指導するならば自分自身が強い体でないと説得力がない、という理由で体作りを行ってきました。そして、約5年前に「競技」ボディビルを始めてからは、ボディビルダーとして心身を少しでも高い次元に持っていきたいという想いに変わり、トレーニングに取り組んでいます。

 よく周囲の人たちに、「そんなに体を鍛えて、岡田さんは一体何になりたいの?」と聞かれます。でも、私は、というか恐らくほとんどのボディビルダーたちも、「何者か」になりたくて、鍛えているわけではありません。

 ボディビルダーはいわば肉体の芸術家です。木にノミを入れて仏像を彫り出すかのごとく、脂肪を削り、筋肉を盛って、世界でただ一つの肉体を作り上げていく。非常に繊細なトレーニングを続けるなかで、今まで入らなかったところに筋肉の線が刻まれてきたり、弱点だと感じるパーツが鍛えられたりして、1%でも成長していくことが、ただ、うれしい。大会で優勝したり、誰かに称えられたりすることは真の喜びではなく、自分のなかで成長がわかればいいという世界観なのです。

 ボディビルと聞くと、極限まで「筋肉をただデカくする競技」という印象を持っている方は多いと思いますが、ただデカくなることが目的ではありません。自分の体は自分にしか作れない美しさがあります。自身の体を見つめ、自分だけの体の良さに気づく。そして、良さを際立たせ、課題を克服するためにトレーニングを積み、体の完成度を高めていく。スポーツのスローガンに「より強く、より速く」というフレーズがありますが、ボディビルを評するならば「より美しく」を追求する競技、いや芸術なのです。

 この考えを持てると、競技としてボディビルに取り組んでいなくても、肉体作りの楽しみが深くなります。自分にしか作れない体を作った時の喜びは、とても大きなものです。トレーニングがとても楽しいものになりますよ。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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