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涙の北口榛花が6投で感じていた「ズレ」 悔しい銀も…日本新&復活の1年で示した「まだ私は世界と戦いたい」

愛知・名古屋アジア大会の陸上は27日、パロマ瑞穂スタジアムで女子やり投げ決勝が行われ、北口榛花(JAL)が62メートル70で銀メダル、武本紗栄(オリコ)が62メートル15で銅メダルだった。母国開催で金メダルを逃した北口は悔しさを露わにした。

女子やり投げで銀メダルを獲得した北口榛花【写真:ロイター】
女子やり投げで銀メダルを獲得した北口榛花【写真:ロイター】

「THE ANSWER 陸上PLUS|NEWS」 愛知・名古屋アジア大会

 愛知・名古屋アジア大会の陸上は27日、パロマ瑞穂スタジアムで女子やり投げ決勝が行われ、北口榛花(JAL)が62メートル70で銀メダル、武本紗栄(オリコ)が62メートル15で銅メダルだった。母国開催で金メダルを逃した北口は悔しさを露わにした。

 日本の期待を乗せたやりは、思い描いた放物線を描かなかった。

 逆転を狙った北口のラスト1投。この日ベストの62メートル70。ただ、アジア記録保持者の18歳・嚴子怡(中国)がマークしていた大会新70メートル46には届かない。五輪女王の目から、涙がこぼれ落ちた。

「自分の中でも期待感があっただけにすごく悔しいし、何よりも彼女を一人旅させてしまったので。勝負ができなかったことが一番悔しいです」

 右肘の不調に苦しんだ昨季は東京世界陸上で予選落ち。今季は男子やり投げ世界記録保持者の五輪3連覇王者ヤン・ゼレズニーコーチに師事し、再出発した。そして、今月のダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルで65メートル44を投げ、続く世界アルティメット選手権は68メートル92で日本記録を更新して優勝した。「日本記録の後も課題がいっぱいあって、もっと投げられる自信があっただけに、すごく悔しいです」と感情を露わにした。

 世界アルティメットから助走の距離を取ったことで感覚も良化していたが、今回は記録につながらず。

「今日は1投目からちょっと止まってしまう部分が多くて、それが自分の力みなのか、雨への対応力がなかったのか、自分の癖が戻ってきてしまったものなのか、まだ自分の中では整理しきれていないけど、1投目から3投目を思い切り投げることがなぜかできなくて……。

 4投目以降やっと少し力感を入れて投げられるようになったという感じで、しっかり構えも作れなかった。助走も自分の中では走れていると思っているけど、あんまり進んでいないように見えると言われ続けていた。自分の感覚とズレている部分が今日は多かったかな」

 こう敗因を分析した一方で、今年は完全復活へ向けて明るい兆しが見えたシーズンだったことも事実。

「まだ私は世界と戦いたいという意思表示をできたと思う。不安がいっぱいだったけど、無事にやり切れて本当に安心しました。冬季のトレーニングも最初からヤンコーチのメソッドで準備する。『あれをやってみたい、これをやってみたい』とたくさん言ってくれていて、自分もやってみたいことがたくさんある。自分もコーチも伸びしろをすごく感じる1年だったので、また来年、再来年に成果を出せるようにしたいです」

 涙を拭いた目は、しっかり前を向いていた。

(取材=寺田 辰朗 / 構成=THE ANSWER編集部)


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