8日に中谷潤人と西田凌佑が王座統一戦

　ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）とIBF同級王者・西田凌佑（六島）が8日に、東京・有明コロシアムで王座統一戦を行う。6日は両選手のほか、興行に出場するWBC同級1位・那須川天心（帝拳）、WBOアジアパシフィック（AP）同級2位・坪井智也（帝拳）らが都内で会見し、意気込みを語った。緊迫した会見の中、和やかな空気が流れる一幕があった。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信。戦績は27歳の中谷が30勝（23KO）、28歳の西田が10勝（2KO）。

　それぞれのベルトを挟んで隣に座った中谷と西田。王者の2人は視線をぶつけず、前だけを見つめていた。中谷は「積み上げてきたものを爆発させたい」と愛称の「ビッグバン」を炸裂させる構え。新ニックネーム「ブラックホール」を背負う西田は「中谷選手に勝つために練習をしてきた」と言い切った。

　KO率77％を誇る中谷は想定する決着のイメージについて「長いラウンドを戦うことも想定してスパーリングをしてきた。判定も見据えてしっかり動ける体を作ってきた」。一方、西田は「判定かKOかは分からないですけど、やってきたことをやれば勝てる。内容というより絶対に勝ちたい思いです」と力を込めた。

　陣営一丸となって臨む一戦は既に幕が開いていた。西田が2日に大阪市内の所属ジムで行った公開練習を、中谷陣営の村野健会長が視察。その際、西田陣営の枝川孝会長は「中谷選手は打たれ弱いんですか？」と村野会長に直球で質問していた。会見では当時の質問の意図を問われ、枝川会長は「記者へのサービスもあって。大阪でやったもんで」と苦笑い。その上で「（中谷は）ポスターを見ても、実物を見ても非常に顔が小さい。何戦か見させていただいたが、西田と試合すると思ってもいなかったので。強いのか、弱いのか、単なる素朴な疑問です」と打ち明け「弱いと思っても言わないでしょうし、弱かったら倒れてる」と重ねた。

　さらに、会見の前に偶然、中谷陣営と同じエレベーターに乗り合わせたことを明かし「『どうぞ、どうぞ』とにこやかな顔で入れていただきました」と語った。続けて「リングの上では2人は激しくやるんですけど、それ以外は友好的に。村野会長には失礼な質問でしたが、記事にできたからよかったんじゃないかな。大阪のノリで申し訳ない」と敬意を示した。

　一連の流れを受けて中谷は「僕が打たれ強いか弱いかを含めて、6月8日、ボクシングを楽しんでもらえたら」と笑顔で返答し、和やかな空気が流れた。

【6月8日の対戦カード】
▽第6試合（WBC＆IBF世界バンタム級王座統一戦12回戦）
WBC王者・中谷潤人（M.T）
VS
IBF王者・西田凌佑（六島）

▽第5試合（バンタム級ノンタイトル10回戦）
那須川天心（帝拳・WBC1位、WBA2位、WBO2位、IBF4位）
VS
ビクトル・サンティリャン（ドミニカ共和国・WBA6位）

▽第4試合（WBO・APバンタム級王座決定戦10回戦）
同級1位バン・タオ・トラン（ベトナム）
VS
同級2位・坪井智也（帝拳）

▽第3試合（バンタム級ノンタイトル10回戦）
増田陸（帝拳・日本同級王者、WBA7位、WBO8位、IBF8位、WBC11位）
VS
ミシェル・バンケス（ベネズエラ・WBA11位）

▽第2試合（ミニマム級4回戦）
大久保るきあ（八王子中屋）
VS
米谷匠生（三迫）

▽第1試合（スーパーフライ級4回戦）
宮下陸（DANGAN越谷）
VS
大島冬也（T&T）