中谷潤人が帰国

　ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）が21日、約1か月の米ロサンゼルス合宿から帰国した。6月8日に東京・有明コロシアムでIBF同級王者・西田凌佑（六島）との王座統一戦を予定。羽田空港で取材に応じ、現地で意外な井上尚弥（大橋）効果があったことを明かした。西田戦はAmazon プライム・ビデオで生配信。戦績は27歳の中谷が30勝（23KO）、28歳の西田が10勝（2KO）。

　1年後の決戦へ、世界のムードも徐々に高まっている。中谷は恒例となった試合前のLA合宿から帰国。「充実したキャンプになった」と胸を張った。現地のジムでは練習後に出待ちの海外ファンが列を作り「ほとんど毎日いてくださいました。日本人の方もいます。サインは100枚以上書きました。ありがたいですね」と人気上昇を喜んだ。

　その裏にはモンスター効果があった。来年5月頃に東京Dで中谷戦が期待される世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上が、今月4日（日本時間5日）のラモン・カルデナス（米国）戦で逆転の8回TKO勝ち。4年ぶりのラスベガス開催で米国のファンを熱狂させた。

　出待ちが増えたのは井上戦の影響もあるのか。中谷は「それもあると思います。その戦い（中谷―井上戦）が注目されている」と米ファンの想いを実感する機会になったという。

　とはいえ、今は西田戦に全力で集中。15歳から師事するルディ・エルナンデストレーナーのもと、西田と同じサウスポーの猛者たちと拳を交えた。過去最多となる250回ほどを消化。「（井上戦を）思うタイミングも増えたけど、西田選手に集中してきました。あとはそれを発揮するだけ」。まずは活況を呈するバンタム級で最強を証明する。