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【会見全容】ロバーツ監督、佐々木朗希のIL入り詳細説明 復帰時期は「一切未定」 右肩痛はロッテ時代と「似ている」

米大リーグ・ドジャースは13日(日本時間14日)、本拠地アスレチックス戦に1-11で敗れた。試合前には、佐々木朗希投手の負傷者リスト(IL)入りを発表。右肩の「インピンジメント症候群」と診断されている。試合後、デーブ・ロバーツ監督が取材に応じ「我々がこのことを知ったのは、アリゾナでの前回の登板の後だった」などと説明。これまでの経緯などを事細かに語った。

ドジャースの佐々木朗希【写真:ロイター】
ドジャースの佐々木朗希【写真:ロイター】

右肩の「インピンジメント症候群」と診断

 米大リーグ・ドジャースは13日(日本時間14日)、本拠地アスレチックス戦に1-11で敗れた。試合前には、佐々木朗希投手の負傷者リスト(IL)入りを発表。右肩の「インピンジメント症候群」と診断されている。試合後、デーブ・ロバーツ監督が取材に応じ「我々がこのことを知ったのは、アリゾナでの前回の登板の後だった」などと説明。これまでの経緯などを事細かに語った。

 佐々木は前回9日(同10日)のダイヤモンドバックス戦で5回途中5失点。13日(同14日)の試合前、デーブ・ロバーツ監督は会見で佐々木の状態について「あの後、少し痛みがあったようだ」とコメント。次回は15日(同16日)のアスレチックス戦の先発が予定されていたが、戦線離脱が決まった。

 試合前の会見で「今の時点では言えない」とIL入りについて語っていたロバーツ監督だが、アスレチックス戦後の会見では「わかっていることはすべて話すと、彼の肩にインピンジメントがある。それは昨年彼が抱えていたものと似ている。我々がこのことを知ったのは、アリゾナでの前回の登板の後だった」と語った。

 続けて「把握している限りでは、彼はここ数週間、不快感を感じていた。ただ、我々の投手陣の現状を踏まえ、彼は投げ続けようとし、困難を乗り越えて戦い抜こうとしていた。そして、自身のパフォーマンスが影響を受けると感じた段階で、初めて身体の状態を明かしてくれた。その時点で、我々としては彼の身体を最優先でケアすべきだと判断した」とIL入りを決めるまでの経緯についても明かしている。

 前日検査を行い、右肩のインピンジメント症候群であると診断されたという。ロバーツ監督は「重大なものではないにせよ、彼の現在の状態を考慮したうえで、これまでの多くの投手、あるいは全投手に対して行ってきたように、慎重を期す姿勢をとることにした。だからこそILに入れる判断を下し、この問題を落ち着かせ、彼を元の状態に戻して、100パーセントのコンディションで再びマウンドに立ってもらうことにした」と判断について説明している。

 ロッテに所属していた昨年も、佐々木は右肩のコンディショニング不良などで1軍登録を抹消されるなどしている。ロバーツ監督は復帰時期については「タイムラインは分からない」とした。

 チーム公式発表によると、佐々木は右肩の「インピンジメント症候群」と診断されている。霞ヶ浦医療センター公式HPなどによると、肩のこすれや挟まりこみなどが原因になると考えられており、野球のほかにも水泳、テニス、ゴルフなどで腕を上げる動作を頻繁に行う場合に発症することが多いという。

 ドジャースはタイラー・グラスノーやブレイク・スネルら先発投手陣に負傷者が続出している状況。クレイトン・カーショーの復帰が間近ではあるが、佐々木の離脱もあって苦しい状況は続きそうだ。

 ロバーツ監督の会見で、佐々木に関する上記以外のやりとりは下記の通り。

 ◇ ◇ ◇

――佐々木は今でも未成熟な体格のように見受けられる。故障を予防する上で、取り組むべき点について球団側で把握していることはあるか?

「興味深いのは、個人的にだが、数年前にWBC(2023年)で彼を見た際には、もう少しフィジカル的に優れているように映った。正確な体格や体重については把握していなかったけどね。ただし、現時点ではいったん実戦から離れさせ、基礎体力を再構築し、より強くすることが重要であると考えている。当然ながら、まずは肩をしっかりと落ち着かせることが最優先だ。それによって、今後に悪影響を及ぼさないようにする。それが主たる目的。そのうえで、フォーム面の調整にも取り組む予定だ。

 現在得られている情報をもとに判断するに、彼の投球フォームには明らかな代償動作が見られ、おそらく投球動作そのものが犠牲になっていた。その原因は、彼がチームのために競い、貢献しようとしていた姿勢にある。メジャーリーグのシーズンを通して100%の状態を維持できる選手はほとんど存在しない。ただ、このような情報が得られた以上、彼が無理をしてくれていた姿勢は称賛に値する一方で、実際に何が起きているのかを把握するために検査を実施する必要があった。そして、ロウキ本人とも話し合いを重ねた結果、ILに登録し、体力と健康状態を取り戻す方針を取ることを決断した。したがって、復帰の時期については、現時点では一切未定である」

――今回の措置は、ある意味では仕切り直しの機会になり、より多くの時間があれば本来取り組みたかったフォームや総合的な課題に向き合う良い機会になるのでは?

「その通りだと考えている。今季の彼に対し、我々は具体的な期待を明確に持っていたわけではなかったが、これまでの登板履歴および投球イニング数を踏まえれば、シーズンを最初から最後まで投げ抜くという想定は現実的ではなかった。よって、今回の事態は、シーズン中盤における一時的な休息として機能し得るものであり、ここで健康を回復し、体力を充実させ、万全の状態に戻ることで、ワールドシリーズに向けて大きな戦力となってくれることを期待している」

――佐々木が登板予定だった木曜日の先発投手は誰になるのか?

「それについては、現時点ではまだ決定していない。今のところ言えるのは、ブルペンゲームの可能性が高いということだ」

――復帰のタイムラインは未定とのことだが、コペックも60日間のILに入っている。佐々木もそれに近い期間を要する見込みか、それともより早期の復帰が見込まれているのか?

「その点については、現時点で正確な判断を下すことは難しく、またコペックとの比較も行うべきではないと考えている。ロウキには、復帰の時期に関する具体的な期待は一切ないことを明確に伝えている。最も重要なのは、彼が健康であり、体力が万全であり、フォームの感触が良好であること。そのすべてが整った時点で、彼には再び登板してもらう。したがって、現時点で復帰時期に関していかなる予測を立てるのも、公平ではないと考えている」

――無理を押して登板していたことは称賛に値するが、「実はそこまでしてくれなくてもよかった」「もっと早く言ってくれてよかった」といった声かけはあったのか?

「もちろん、そうしたメッセージは伝えた。ただし、メジャーリーグの舞台に立つ選手であれば、同じような状況で同様の行動を取る選手が大半であるとも思う。彼らは自らが乗り越えられると信じ、君が言うように突き進もうとするものだ。そして、我々首脳陣が直面している状況を理解し、チームに貢献したいという意志を強く持っていた。そうした姿勢は本当に尊重している。彼は素晴らしいチームメイト。そして、今回の検査により、これまでに彼が経験してきたものと同様の状態であると判明したことは、非常に心強い材料である。彼にとっても馴染みのある症状であるため、十分な休養と体力回復を経て、元のフォームに戻ることができれば、必ずや問題なく復帰できると確信している」

――ノースローを求める時期も出てくるか。

「ああ、間違いない。私たちはインピンジメントが確実に落ち着くようにと彼をILに入れた。だから、それ(ノースロー)はとても道理にかなう。ボールを握らない期間がどれぐらいになるかはわからないが、ノースローの時期はある」

――マイナーリーグでの調整登板のようなものが、彼にとってプラスになると思うか?

「いや、そうは思わない。我々のゴールは、彼の体調を整えて、強くして、フォームをしっかりさせて、そしてチームで投げさせること。今回分かった情報で言うと、彼は自分の望んだような成果を上げられていなかった。それは彼のコンディションが万全じゃなかったからで、我々全員にとってもそれは大きな気づきだった」

(THE ANSWER編集部)



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