女子ゴルフで異例の“超高速グリーン” 攻略した39歳・藤田さいきが「懐かしい」と語ったワケ
ゴルフの国内女子メジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯が8日に茨城GC東C(6675ヤード、パー72)で開幕した。39歳の藤田さいき(JBS)は7バーディー、1ボギーの66で回って6アンダーとし、単独首位に立った。前週のパナソニックオープンレディースでは第2日に右手首を痛めて途中棄権。高熱も出て体調不良の中、「グリーンのタッチが合った」と振り返った。その速さは、マスターズを開催して「ガラスのグリーン」と称されるオーガスタナショナルGCに匹敵していた。

ワールドレディスサロンパス杯初日
ゴルフの国内女子メジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯が8日に茨城GC東C(6675ヤード、パー72)で開幕した。39歳の藤田さいき(JBS)は7バーディー、1ボギーの66で回って6アンダーとし、単独首位に立った。前週のパナソニックオープンレディースでは第2日に右手首を痛めて途中棄権。高熱も出て体調不良の中、「グリーンのタッチが合った」と振り返った。その速さは、マスターズを開催して「ガラスのグリーン」と称されるオーガスタナショナルGCに匹敵していた。
この日の朝、発表されたグリーンコンディションは「スティンプ14 1/4フィート」。驚がくの数字に選手、関係者が「すごっ」と声を上げた。ゴルフで「スティンプ」とは、グリーンの速さを表す数値。専用の計測器「スティンプメーター」で測定し、数値が大きいほどグリーンが速く、ボールが転がりやすい状態を示している。
国内女子ツアーでは10~11フィート、男子ツアーで12フィートが一般的だが、13フィート以上は「高速グリーン」。14フィートは「ガラスのグリーン」のオーガスタGCに匹敵している。その状況下で藤田は面白いようにパットを決め、最終9番パー5でも9メートルのバーディートライを沈めて歓声を浴びた。数えると18ホールでわずか22パットだった。
「完璧だと思います。(同組の)不動裕理さんに『よく入るね~』と褒めていただいたくらい、パッティングが良かったなと思います」
そして「懐かしい」と言った。
「私がデビューした時はこういうグリーンが多かったので、懐かしい気持ちでやってました」
藤田のデビューは2005年。同じ1985年度生まれの宮里藍が6勝を飾って、「藍ちゃんフィーバー」を起こしていた頃だ。
宮里は2017年でツアープロを引退。今大会特別協賛の久光製薬と契約中のプロとして会場に姿を見せている。そして、藤田はこの日、スタート前に男子のレジェンドとも顔を合わせていた。
「伊澤利光さんが来てくださり、アプローチのポイントを教わりました。コースに出たら不動さんが一緒で豪華な日でした(笑)」
もっとも、その声はかすれていた。
「先週、棄権して熱が39度まで上がって体調がすこぶる悪いので、土日は寝ていました。風邪です。(今は)熱はないですが、鼻と喉の調子が悪くて咳が出ています」
前週に初めて痛めた右手首については、針を打って対策した。
「コーチである兄から『右手を強く振って痛めるスイングになっていたんだね』と言われ、今日は痛めないスイングもできた感じはありました。ただ、本当に出来すぎなので何とも言えないですけど、(4日間を通して)今日に近いゴルフができればと思います」
残り3日。藤田はこの貯金を生かし、コンディションを整えながら3年ぶりのツアー7勝目、15年ぶりのメジャー優勝を目指す。
(THE ANSWER編集部)