井上尚弥VSカルデナス戦に現れたのは…

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が4日（日本時間5日）、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス（米国）との4団体防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ちした。世界戦通算23KOで歴代最多記録を77年ぶりに更新。4年ぶりに本場で戦い、世界のファンを熱狂させた。会場には井上を「お気に入り」とする現役世界王者も来場。謙遜しつつ「どデカい仕事をやってのけた」とべた褒めしている。

　会場を訪れていたのはWBO世界スーパーライト級スーパー王者テオフィモ・ロペス（米国）。タキシードに蝶ネクタイという正装で登場した。米専門誌「ザ・リング」公式YouTubeチャンネルはインタビュー動画を公開。試合の感想を聞かれると「この週末を完全に自分のものにしたね。どデカい仕事をやってのけたよ。だから俺はここに来たんだ。彼の試合を生で見てみたかった。彼らしい試合だった。とても嬉しいよ」と井上の試合を振り返った。

　昨年6月、ニューヨークで行われた全米ボクシング記者協会（BWAA）の表彰授賞式で井上との2ショット写真に納まったロペス。井上をべた褒めし「俺がこの時代でお気に入りのボクサーだ。だから隣にいられるだけで素晴らしいことだよ」などと感激していたほどだった。そんな経緯もあるだけに、今回の試合を見て「尚弥も身体能力が高いが、自身のスタイルとの類似性を感じるか」と聞かれると「まさか。全然格が違うよ」と謙虚に笑った。

　ロペスは2020年、ワシル・ロマチェンコ相手に判定勝ちを収めるなど、中量級のスターとして名を上げてきた。2日（同3日）にニューヨークで行われた同級暫定王者アーノルド・バルボサJr.（米国）との王座統一戦で判定勝ち。王座を防衛したばかりだが、ラスベガスに足を運んでいた。