ジム初の日本王者誕生で涙「みっともない」 選手も会長も…小さなジムで闘った石井渡士也の激闘
ボクシングの日本スーパーバンタム級(55.3キロ以下)王座決定戦10回戦が22日、東京・後楽園ホールで行われ、同級1位・石井渡士也(RE:BOOT)が同級2位・福井勝也(帝拳)に10回2分38秒TKO勝ちした。2013年のオープン以来、男子ではジム初の日本王座戴冠。射場哲也会長とともにリングで涙した。戦績は24歳の石井が9勝(6KO)1敗2分、28歳の福井が8勝(6KO)1敗。観衆は1566人。

日本スーパーバンタム級王座決定戦
ボクシングの日本スーパーバンタム級(55.3キロ以下)王座決定戦10回戦が22日、東京・後楽園ホールで行われ、同級1位・石井渡士也(RE:BOOT)が同級2位・福井勝也(帝拳)に10回2分38秒TKO勝ちした。2013年のオープン以来、男子ではジム初の日本王座戴冠。射場哲也会長とともにリングで涙した。戦績は24歳の石井が9勝(6KO)1敗2分、28歳の福井が8勝(6KO)1敗。観衆は1566人。
石井は冷静だった。ジャブを的確に当てながら入った前半。5回終了時の採点は2-1(49-46、48-47、47-48)でリードした。回を追うごとに激しさを増し、終始手を出し続けた。ヒッティングで負傷した相手の左目上が腫れ上がる。打開策をつくらせない一方で、ガードの上からでもワンツー、アッパー、フックを叩き込んだ。
決着は最終10回。「4つ打て!」とセコンドについた射場会長の言葉を背に、ワンツーで止まらず、3、4発目をお見舞い。福井の顎が跳ね上がり、レフェリーが割って入った。10回2分38秒TKO勝ちの激闘。新王者はコーナーによじ登り、絶叫した。13年のジム創設以来、男子初の日本王者誕生。リング上で泣き顔をつくった。
「通過点として日本タイトルを見ていたけど、なかなか獲れなかった。泣いちゃってみっともない。けど、皆さんの応援が力になりました」
ユースと女子を含め、ジムのタイトル保持者は3人に。射場会長をリング中央に呼び寄せ、「埼玉のふじみ野市の小さなジム。会長に大きな拍手をお願いしていいですか?」と観客を煽った。会長も涙が止まらない。
「ほんと……すみません……。いろんなものを渡士也に背負わせすぎで申し訳ない。小さいジムじゃなかったらもっと早く王者になっていたかもしれないし、それなのにずっとついてきてくれた。感謝しかないです。ずっとジムを引っ張ってくれた」