4回転フリップ転倒も「意味がある」と言い切る理由 鍵山優真21歳、挑戦者のメンタル「イリア選手も意識して」【フィギュア国別対抗戦】
フィギュアスケートの国別対抗戦が17日、東京体育館で開幕。アイスダンスのリズムダンス(RD)、男子ショートプログラム(SP)、女子SPが行われ、日本は合計44点の2位につけた。男子SPで93.73点の4位だった鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は4回転フリップにSPでは初挑戦。3回転と判定され、転倒となったものの「今日のチャレンジは意味がある部分もあった」と前を向いた。

フィギュアスケート国別対抗戦
フィギュアスケートの国別対抗戦が17日、東京体育館で開幕。アイスダンスのリズムダンス(RD)、男子ショートプログラム(SP)、女子SPが行われ、日本は合計44点の2位につけた。男子SPで93.73点の4位だった鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は4回転フリップにSPでは初挑戦。3回転と判定され、転倒となったものの「今日のチャレンジは意味がある部分もあった」と前を向いた。
冒頭の4回転―3回転の連続トウループを決めた後、4回転フリップに挑戦。ダウングレードで転倒となったが、「絶対にやってやる」と強い気持ちで臨んでいた。首位は米国の世界選手権王者イリア・マリニンで106.08点。日本の佐藤駿は93.68点の5位だった。
18日に男子フリーが行われる。演技後の鍵山の主な一問一答は以下の通り。
――ショートでサルコーからフリップに難易度を上げた理由は。
「オリンピックシーズンだからまとめていくというのではなく、どんなシーズンでも毎年新しい挑戦をしなければならないですし、今シーズンは結構自分の中でこれ以上できないっていうぐらいのショートを何回かすることができて、それでも自己ベスト更新には至らなかったので。やっぱりフリップに挑戦するっていうことにすごく意味があると思いますし、その中でイリア(マリニン)選手も意識しながら、近づいていきたい思いもあるので。今日のチャレンジは意味がある部分もあったのかなと思います」
――4回転フリップを入れたのは、来季への挑戦を始めるという意味も込めたか。
「ここで上手くまとめようとしても自分の中では意味がないというか、ここで挑戦するからこそ来シーズンにつながる部分はあるのかなと思ったので。今日は6分間練習悪くても、僕は『絶対にやってやる』っていう気持ちで臨んでいました」
――試合形式でやってみて、練習と違うと感じたところは。
「ショートで初めてやるものなので、自分自身ではどうなるかわからないと思いながら、緊張感もありながらやっていました。実際に曲で入れるってなるともうちょっと自信が必要だなと思った。やっぱりショートだとなおさら3本しかないジャンプを絶対に決めなきゃいけないっていう中で自信は必要になってくるので、来シーズンに向けてもっともっと強化していきたいところだと思います」
――フリップの苦手意識が出ているのは技術的な問題からか、精神的な問題からか。
「多分どっちもあると思っていて。自分の中でどれだけ跳べていても、本番行くかどうかわかんないなっていう気持ちもあったり。ワールドが終わってから自信がなかなかつかなくて。どういう練習したらいいんだろうという風になってしまっているんですけど、でもそれ以外のものはしっかりと自信を持っていけているので。あとは本当にフリップだけっていう状態。落ち込みすぎてもないですし、前は向けていると思います」
――フリーは来季に見据えた挑戦か、今季の集大成という位置づけか。
「どっちもですね。やっぱり来シーズンはどうしても4回転ルッツまでしっかりと入れたい中で、4回転フリップまでのジャンプをしっかりと跳んでおかなきゃ意味がないので。今シーズン悔しい思いをたくさんしたという意味でも、今シーズン最後の試合としてしっかりと頑張りたいという気持ちと、あとは来シーズンに向けてとにかく全力でやっていきたい気持ちが両方あります」
――最大でどれくらいの4回転を取り入れたいか。
「今の構成に4回転ルッツを1本足せればいいなと思っていて。4回転をたくさん入れれば入れるほどいいってわけではないので。一本一本の質も大事になってきますし、もちろんスピンもステップもかなり重要なエレメンツになってくるので。僕の中では4回転の数が少なくても、しっかりと綺麗にGOEを稼ぐということをしっかりとやっていきたいです」
――4回転ルッツの練習段階はどの段階か。
「ワールド終わってから4回転ルッツの練習がまだできていなくて、フリップの練習までが精一杯だったんですけれども。ルッツは練習しているときは1日何本か降りられている状態なので、来シーズンはとにかくたくさん試合に出て、経験をたくさん積んでおきたいなと思っているので。本番でやってみないと分からないというところが正直なところです」
(THE ANSWER編集部)