女子マラソン新星・小林香菜の驚異的粘りに日本陸連称賛 「スタミナ力が魅力。刺激くれた」【大阪国際女子マラソン】
9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンが26日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われた。23歳の小林香菜(大塚製薬)が日本歴代10位となる2時間21分19秒で日本人トップの2位。世界陸上の参加標準記録を突破し、代表に大きく前進した。ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)が2時間21分00秒で連覇を飾った。

大阪国際女子マラソン
9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンが26日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われた。23歳の小林香菜(大塚製薬)が日本歴代10位となる2時間21分19秒で日本人トップの2位。世界陸上の参加標準記録を突破し、代表に大きく前進した。ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)が2時間21分00秒で連覇を飾った。
スタート時は気温10.8度、湿度42%。晴天の下、パリ五輪代表の鈴木優花、最多タイとなる4度目の優勝を狙う松田瑞生、伊澤菜々花、小林香菜、松下菜摘ら7人が先頭集団を形成。松田が14キロ付近から遅れた。
15キロ過ぎの給水所でアクシデントが起きた。ボトルを取り損ねたペースメーカーが数歩だけ後戻り。後ろを走っていた小林と接触した。腰辺りをぶつけてバランスを崩した小林。すぐに走り出し、トップにくらいついた。中間地点付近で先頭から離されたが、22キロ付近で再び追いつく力走。徐々に集団の背中が遠のいていったものの、29キロで伊澤を抜いて3番手に浮上した。
ゴールまであと800メートルで鈴木を逆転。そのまま日本勢トップとなる2位でゴールした。23歳の小林は早大時代にランニングサークルに所属。卒業後に大塚製薬入りした実業団ルーキーだ。すり足のような独特のピッチ走法が印象的。個性あふれる女子マラソンの新星が誕生した。
レース後、日本陸上競技連盟強化委員会の高岡寿成シニアディレクターが会見。「マラソンは最後までわからない難しい競技だなと。小林選手が2位になり、彼女の成長曲線は非常に大きな角度を持って上昇しているのを印象付けられた。昨年はここでネクストヒロインで出て、昨年12月の防府読売マラソンで自己記録、ここでも大幅な自己記録を更新。楽しみな若い選手が刺激を与えてくれた」と驚きを込めて称賛した。
東京世界陸上の女子マラソン日本代表は最大3枠。参加資格有効期間(2023年11月5日~25年5月4日)に日本記録をマークし、保持した選手は内定。この日の大阪国際女子、3月2日の東京、3月9日の名古屋で参加標準記録2時間23分30秒を突破した選手から総合的に判断される。
小林の成長理由について、高岡氏は「持っているスタミナは以前から感じていたし、大塚製薬に所属していろんなことを教えてもらっている。高地トレーニングなど環境の変化が強くなっている要素だと思います」と分析。「中盤に彼女が離されたら本来ならそのまま。一度追いつき、また離されても追いついた。粘り強さ、スタミナ力を魅力に感じるレースだった」と新星台頭を歓迎した。
前回大会では、前田穂南(天満屋)が野口みずきさんを13秒上回る2時間18分59秒をマークし、19年ぶりに日本記録を更新していた。
(THE ANSWER編集部)