負傷棄権となった相手に歩み寄り「1位になれるわよ？　私が保証する」と賛辞

　女子テニスの元世界ランク1位マリア・シャラポワ（ロシア）が演じた振る舞いが脚光を浴びている。負傷して棄権を余儀なくされた失意の相手選手のもとに歩み寄り、品格あふれる囁きを披露。実際のシーンをWTAが「偉大な瞬間」と称して動画付きで公開すると「あなたは真の偉人」「言葉以上に行動が物語っている」「なんと美しい人だ」と海外に感激を呼んでいる。

【注目】CW-Xを川澄奈穂美選手がお試し　運動パフォーマンスを支える「股関節サポート機能」って？（W-ANS ACADEMYへ）

　世界の頂点を極めた女王の振る舞いだった。2日に行われた深センオープン2回戦。地元中国の17歳・王欣瑜との一戦だった。第1セットをタイブレークの末に6-7で落としたが、第2セットは巻き返し、5-2とリード。ただ、この後によもやの展開となった。王が左太ももの痙攣を訴え、棄権を申し出たのだ。

　テーピングを巻いてベンチに座り込んだ王。主審の「不運にもけがにより、ワンは棄権を余儀なくされました。シャラポワが6-7、5-2で勝利です」というアナウンスが会場に流れると、やってきたのはシャラポワだった。王の隣に座ると、じっと17歳の目を見つめながら、優しげな表情で囁き始めた。

「とても素晴らしいプレーだったわ、素晴らしかった。お大事に。あんな感じでプレーしていたら1位になれるわよ？　私が保証する」と素直に賛辞を伝えた。さらに「痙攣は嫌よね。ちゃんと良くなるわ。水分はしっかり摂った？」と思いやり、王が「これをもらったわ」とドリンクを示すと「オーケー、飲み続けて」と声をかけた。これには王も嬉しさを隠し切れずに笑みを浮かべた。