開幕7連勝のB1大阪、新加入カロイアロが導く快進撃 平均21得点に表れる欧州最高峰を知る経験値
京都戦の勝負どころで見せた「凄み」
カロイアロ本人もこう口にする。
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「自分はバスケットが大好きで、試合の映像を見て『こういうプレーはどうだろう?』と考えることも好きです。ボールをもらったら、まずはディフェンスがどう対応してくるのか、守ってくるのかを見ながらプレーするようにしています。エクストラパスを出せばアシストが付きますし、自分のパスからいろんなプレーが起こることが楽しい」
彼は良い意味で無理をせず、セルフィッシュなプレーもしないタイプだ。ただ25日の京都戦では、勝負どころで「凄み」も発揮した。5点差、残り50秒の勝負どころでボールを託されると、ケビン・ジョーンズとの1対1を挑み、フェイドアウェイを沈めて試合を決めた。B1のトップ5に入る得点力を見ても、個の能力は明らかに高い。
ただ得点力の高さについて本人に尋ねると、「そういう結果が出ているかもしれないですけど、今日も例えばショーン・ロングに相手がダブルチームで来て、そこからのパスでイージーショットを決めた場面もありました。すべて自分ではなくて、周りの選手から生かしてもらっている」と流された。
カロイアロは米国育ちだが、祖父母の代で海を渡ったイタリア系。彼自身も米国、イタリアのダブルパスポートで、プロ2年目にはイタリア代表のトレーニングキャンプに呼ばれたことがあるという。それを断ったことで以後は縁が切れ、本人も「ミステイク」と悔いている様子だった。
カロイアロのスキルと経験値は間違いなく7連勝の原動力になっている。チームと個人の成績を見れば、10月の月間MVP選出も十分にありえるだろう。
大阪は28日と29日に、強敵・川崎ブレイブサンダースとホーム戦を戦う。CSの常連で、今季の優勝候補にも上がる強豪との対戦は大阪の真価を問うものになる。ただ大阪の戦い、カロイアロのプレーからは「勢い」だけではない期待を感じた。
(大島 和人 / Kazuto Oshima)