アンドレーワがペナルティを受けて敗れる

　テニスの4大大会、ウィンブルドン選手権女子シングルス4回戦で、世界ランク102位の16歳ミラ・アンドレーワ（ロシア）がまさかのペナルティを受けて敗れた。ラケットをコートに叩きつけたと判定されたが、本人は足を滑らせた際の不可抗力だと主張。米メディアは「物議を醸す形で終わった」とこのシーンを報じている。

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　世界ランク18位マディソン・キーズ（米国）との対戦。問題のシーンは第3セット第8ゲーム。右へのボールを追いかけたアンドレーワはなんとか触れて切り返そうとしたが、足を滑らせて体勢を崩してしまった。この際にバランスを保とうとしたのか、右手に持っていたラケットを後ろ向きに振り回し、最後はラケットが手から離れてコートに叩きつけられるような形になった。

　主審のルイズ・アゼマール・エンゼル氏はラケットを叩きつけたと判断し、アンドレーワにペナルティを与えた。この試合2度目で、ペナルティポイントが相手に入った。アンドレーワは「それは間違った決断です。ラケットを投げたんじゃなくて、落ちたんです。滑って転んでしまった」と主審に近づき抗議するも、判定は覆らず。これがマッチポイントとなったため、1-2（6-3、6-7、2-6）で敗れてしまった。

　4大大会初の8強入りを逃したアンドレーワ。試合後はエンゼル主審と握手を交わすことなく、コートを去った。米大手放送局「CNN」は「16歳のミラ・アンドレーワがウィンブルドンで物議を醸す判定を受けてポイントを奪われ、マディソン・キーズに負ける」との見出しで記事を掲載した。

「10代のテニス界の注目選手、ミラ・アンドレーワの夢だったウィンブルドンは月曜日に、ラケットを投げたためにポイントを奪われ、物議を醸す形で終わった」と記事では該当シーンを紹介。「エンゼル主審は、この事件は“スポーツマンシップに反する行為”でポイントを奪うほどの深刻なものであると判断した」「アンドレーワが滑ってコントロールを失ったと主張すると、エンゼル主審は腕を頭の上で振って、彼女がラケットを投げたことを示した」とも記した。

　記事では試合後にアンドレーワが報道陣に語ったコメントも紹介。「私からすれば、議論の余地があるポイントです。なぜなら……どちらの判断が正しいか分からないからです」と胸の内を語っている。「でも、正直に言って、私にはラケットを投げる意図は全くありませんでした。滑ったんです。正直言って、前のめりに転んでしまうと思ったんです」とラケットを意図的に投げたことについては否定している。

　アンドレーワは加えて「ラケットを投げたように見えたかもしれません。分かりません。まだ動画を見ていないので。でも、それが彼女（エンゼル主審）の下した判断でした。彼女がこの判断を下したんです。それが全てです。彼女がその判断を下したので、試合は終わりました」と主審の判断でペナルティとなったことを強調していた。