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激闘を制して誕生した“小さな”王者たち 【加藤未央のダノンネーションズカップ取材記~2日目】

「山梨の代表」として世界へ

 表彰される時になってやっと、甲府の子どもたちから満面の笑みが見られた。7番の保竹駿斗くんは、これ以上の笑顔はないというほどに顔をくしゃくしゃにさせて、「信じられない」と漏らす。3番のキャプテン、志村ぼんくんからは「大会に出る前から絶対に優勝するっていう気持ちがあって。ダノンネーションズカップでは決勝まで行ったことがなかったし、世界大会にも行きたいって思ってたし、監督に優勝をプレゼントしようぜってみんなで話してました」と、試合前の気合いが伝わってきた。

 子どもたちによって優勝監督になった西川監督に、この大会を通して一番思い出に残っていることを聞いてみると、こんなことを話してくれた。

「大会1日目の初戦、うちのチームは3-1で勝ったんですけど、試合後にみんなが泣き出して。失点したことに対して個々が納得できなかったからでした。普段泣かない子も泣いていてビックリしましたね」とその時の様子を振り返る。

 甲府の子どもたちは、体が小さな子が多い。「本当にもう、なぜか分からないんですけど、小さい子が多いんですよね」と監督も言うほどに、それは甲府にとって伝統的なことのようだ。ただ、その小さな戦士たちは今日、日本一のチームになってそのタイトルを地元の山梨へと持ち帰る。

「世界に行くってなったからには、日本の、というか山梨の代表として、結果を残して世界に名前を刻みたいと思います!」

 キャプテンの志村くんは、しっかりと前を見据えて力強く宣言した。

【了】

加藤未央●文 text by Mio Kato
ダノンネーションズカップ2016●写真 photo by DNC2016


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加藤 未央

1984年1月19日神奈川県生まれ。
「ミスマガジン2001」グランプリに輝き、TBS「スーパーサッカー」のアシスタントなどタレントとして活躍すると同時に、東京農業大学応用生物科学科バイオサイエンス学科を卒業するなど多彩な才能を発揮。
現在はフットサル全国リーグ「Fリーグ」のオフィシャル報道官に就任するなど、スポーツライターとしてもさまざまなメディアで活躍中。

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