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トップアスリートこそ風邪を引きやすい理由 冬にウイルスを寄せ付けない2つの対策

オススメは「鍋」、一品で「主菜」「副菜」を兼ねる効果も◎

<2>乳酸菌&食物繊維で腸内環境にアプローチ

 免疫を維持するためには、腸内環境をよい状態に整えることが外せません。そのために積極的に摂りたいのが、乳酸菌、乳酸菌を腸内で活動しやすくするプレバイオティクスを多く含む食材、そして食物繊維です。乳酸菌はまた、白血球のNK細胞を活性化させます。具体的な食材でいうと、ヨーグルトやキムチ(以上乳酸菌)、玉ねぎ、ごぼう、大豆、アスバラガス、バナナ(以上、プ?バイオティクス)が代表的。そして、食物繊維は野菜や果物全般に含まれます。

 以上の栄養素を効率よく摂れる料理といえば、一人暮らしの選手にも大人気の「鍋」。メインの具材はたらやむつを筆頭にビタミンDが豊富な魚介類や鶏肉を。また、摂りにくいきくらげや干ししいたけも加えやすいのでとてもおすすめです。洋風であれば、鶏肉をメインの具材にして、玉ねぎ、かぼちゃをゴロゴロと入れたポトフ風スープもおいしいですよ。

 今は市販されている鍋の素の味のバリエーションも豊富ですし、料理が苦手な選手でも簡単に作れます。また、鍋にするとサラダなどで食べる量の2~3倍の野菜もペロリといただけるし、一品で「主菜」「副菜」を兼ねてくれるのもうれしい。しかも体も温まります。スポーツ栄養士の視点からも、イチオシの一品です!

 プロチームに所属する選手たちは、競技や体作りに集中できる環境であり、食事のサポートも恵まれています。一方、社会人チームや大学生のチームをみると、仕事や学業に専念する時間も必要ですし、食事も自分でコントロールしなければならない選手がほとんどです。アスリートであるからには、一般の人よりも多くのエネルギーとタンパク質を食事からしっかり摂りたい、しかし、時間や食費の問題もあり、なかなか思うような食事を実践できない人は多いと思います。

 特に社会人アスリートは、就業時間にかかる昼食は、おにぎりやうどんだけでサッと済ませるケースがよくみられます。そのため、意外とエネルギーとタンパク質が不足している方が多いと感じます。特に冬場のエネルギーと栄養不足は、免疫が低下しやすい。ですから食事を3回、しっかり摂れない場合は、練習前におにぎりを食べる、練習後はプロテインシェイクを飲むなどの対策を考えましょう。

 これは、アスリートに限りません。マラソンやトライアスロン、アイアンマンレースなどのスポーツにシリアスに取り組む一般の方にも、同じことがいえますよ。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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