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195cm105kg、台湾の大砲が野球を選んだ理由「彼女を探すのが…」 日本に導いた挫折と縁「毎日泣いてました」

林冠臣はフルスイングでファンを沸かせる【写真:羽鳥慶太】
林冠臣はフルスイングでファンを沸かせる【写真:羽鳥慶太】

西武入りは運命? 日本行きへ導いた挫折と少年時代の言葉

「日本の選手で言ったら、ソフトバンクの近藤(健介)さんです。バットの軌道がすごい。投手が投げたボールのラインにどう入っていくかというのが」

 ただ身体が大きいだけでなく、バネの強さは元バスケットボール選手だった父譲り。母は陸上、妹はソフトボールに没頭してきたスポーツ一家だ。林冠臣が最初に頭角を現したのは陸上の走り幅跳びだった。小学校5年の県大会で4メートル60を跳び、全国大会へ。そこでは5メートルを超える記録を残したという。ただ、学校では遊びでティーボールをしていた。野球への興味がずっとどこかにあった。

「友達がやっているのを見て面白そうだなと。それで、強い中学を受験してみようとなったんですが、落ちちゃって……」。野球を始めたのは中学2年と遅かった。ただ学校に日南学園とのつながりがあり、すぐに日本への留学を考えた。両親も後押ししてくれた。幼き日の体験がきっかけだった。

「小学校の頃、家族旅行で日本の球場に連れて行ってもらって、その時に自分が『日本っていいな』って言ったようなんです。親はそのことをずっと覚えていたみたいで。当時の写真をドラフト指名の後に送ってもらったんですが……。写っていたのは(現在の)ベルーナドームでした」

 ここに来るのは運命だったともいえるが、高校時代は台湾と日本の違いにも苦しんだ。留学を経験した中学の先輩たちから「とりあえずきついから、覚悟しておけ」とは言われていたが、体力的にも、精神的にも想像以上に追い込まれた。

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