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「オトン、頼む」那須川天心、ヒラメ釣りで始まった再起への道 父が厳しく見た「タレント」の姿

号泣する那須川(中央右)に声をかける父・弘幸さん【写真:井上学】
号泣する那須川(中央右)に声をかける父・弘幸さん【写真:井上学】

那須川天心の父・弘幸さんが歩んだ再起の道

 そこから再び親子の歯車が動き出した。那須川は弘幸さんが運営する「TEPPEN GYM(テッペンジム)」に通い、キックボクシング時代に指導を受けた葛西裕一トレーナーと再びタッグを組んだ。

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 弘幸さんは初戦の敗因を「慢心があって、気持ちが弱かった」と見る。また、華やかな環境に身を置いていた那須川にも厳しい目を向けた。

「タレントでしょ、あいつは。周りはチヤホヤするし、天心と一緒にいることをステータスと思う人もいる。人が『苦労して成った』とか知らないで、天心に『こうしろ、こうだよ』とか。そんな場所に行ったって技術が進化するわけではない。大谷翔平がそんなことをしているのかって話なんですよ」

 これは帝拳ジムの指導を否定しているわけではない。

「あれだけボクシング界のチャンピオンを出している場所の練習や教えが悪いなんて、一つも思っていない。それをどう自分の中に落とし込んでいくか。やっていかなくちゃいけない」

 厳しい言葉の根底には息子への期待と信頼がある。古くからの仲間と過ごし、飾らない時間が増えた。「素直になりましたよ。人間味が戻ってきた」

 ひたむきな努力を積み重ねてもまだ届かない世界王座。大粒の涙を流してリングを後にした息子に、「今までで一番よかったよ」と心からの労いを送った。

 試合後、これからのボクシングへの向き合い方を問われた那須川は「今は分かんないです」と答えた。「こんだけやっても無理か」。目指した王座まであと一歩。進化を見せた親子は、また立ち上がるはずだ。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)

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