サッカーの神様を愛した女子ハンド監督の数奇な人生 改めて思った「ジーコって本当にすごい」

今でも知名度と人気は世界トップクラス
サッカーの話、ブラジル代表の話、ジーコの話になると、饒舌の度合いが増す。サンパウロに住み、ブラジル人女性と結婚。「時間がある時はサッカーも見たよ。(かつてジーコが所属した)フラメンゴが好きで、見に行った」。うれしそうに話した。
【注目】日本最速ランナーが持つ「食」の意識 知識を得たからわかる、脂分摂取は「ストレスにならない」――陸上中長距離・田中希実選手(W-ANS ACADEMYへ)
ジーコ氏がJリーグ創成期に日本でプレーし、その後日本代表監督を務めたことも「もちろん、知っている」。もしかしたら、日本女子代表監督を引き受けた背景には、多少なりとも日本で活躍したジーコ氏の影響があったのかもしれない。
日本サッカーに大きな足跡を残したジーコ氏のように、ソウバク監督にも日本ハンドボール界の変革が期待される。「あなたもジーコのように」と水を向けると「それは難しい。ジーコは特別だから」と首を振った。それでも、28年ロサンゼルス五輪予選を突破すれば、52年ぶりの歴史的快挙。「そのために、少しずつでも進歩しないといけない」。訴えたのは34年前のジーコ氏と同じように選手の意識改革や海外経験の重要性。ハンドボール界にも日本を引っ張る「ジーコ」が生まれるかもしれない。
多くの日本人がジーコ氏を知ったのは、93年にJリーグがスタートしてから。創造性あふれるスーパープレーで王国ブラジルの中盤に君臨し、世界中のファンを酔わせた80年代の活躍は、意外なほど知られていない。91年に住友金属(現鹿島)入りした時は震えるほど興奮したが、デスクからは「すごい選手なの?」と聞かれた。選手としての評価は日本以上に世界で高いし、今も世界中にファンは多い。
バスケットボールのBリーグで連覇を狙う宇都宮ブルックスのジーコ・コロネルHCはニュージーランド出身だが、その名前はジーコ氏からだという。日本では「日本代表監督も経験した鹿島のご意見番」くらいの認識かもしれないが、世界での知名度と人気は今も変わることなくトップレベルだ。競技を超え、国を超え、我々の想像をはるかに超えて、ジーコイズムは世界中に広がる。今さらながらだが「ジーコって本当にすごい」と思わされた。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)








