巨人退団から3年、陽岱鋼の頭にある“退き時” 38歳が挑戦続ける理由「時間が足りない」明かした将来の夢

家族と考える将来「次に何をするか、もう考えて決めたい」
「やっぱり最後は家族です。この20年間ずっと支えてくれて、僕に時間を合わせてくれている。そろそろかなと思うのはそういう時。わがままを続けるんじゃなく、どこかでけじめをつけなきゃいけない。20年もやれているのは、妻の支え、子どもの支えがあったから。何回も考えていることなんですけど。そうなると次に何をするかをもう、考えて決めたいなと思っているんです」
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台湾から日本、そして米国と、世界を股にかけてまでこだわってきた野球から離れることは考えられない。その中で描く自身の将来像はやはり、グラウンドの中にある。キャリアを積むとともに、仲間に送る視線が変わってきたというのだ。
「選手を見るのは好きだなって思っているんです。今は、この選手はこう伸びそうだと思って見るのが、すごく楽しみなんですよ。教えることは難しいけれど、一番楽しいかなとも思っています」
オイシックスはNPB2軍に参加して2年目の、まだまだ若いチームだ。そこで陽が発する言葉には、大きな影響力がある。新任の武田勝監督は、年齢こそ8つ違うものの日本ハムでのプロ入り同期。「監督、コーチじゃ言えないことがどうしてもある。そういう時に岱鋼みたいに、NPBで長年やった選手がいるのは大きいかな。刺さる言葉を持っていると思う」と全幅の信頼を置く。
今年2月、静岡・伊豆で行われた春季キャンプでは、若い選手とコミュニケーションをとる姿も目立った。ただ「今は、聞かれたら答えます。自分からは教えない。あとは当たり前のことをやっていない時ですかね。そこは『なんでやらないの?』って言ったりはしますよ」と、あくまで現役選手として戦い続ける。プロとして20年間、世界を回って築いてきた野球観を、まだ磨き上げる。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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