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「英語力」はバスケ選手の財産 海外経験ゼロのBリーガー飯田遼、語学習得につながったプロの日常

信州時代の同僚マクヘンリーは「本当にいい先生でした」

 飯田の格好の話し相手となったのは、来日9年目(当時)のアンソニー・マクヘンリー(現・琉球ゴールデンキングス・アシスタントコーチ)。飯田は自らマクヘンリーの送迎役を買って出て、練習時だけでなく、その行き帰りにも会話を重ねた。オフには食事をしたり、映画を観に行ったり、スマホの機種変更に付き合ったりもした。

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「マクヘンリーは日本が長くて、日本語もかなり理解しているので、僕の分かりにくい英語を丁寧に聞いてくれたり、分かりやすい単語で話してくれたりしたんですよね。日本の文化もよく知っていて、僕の卒業祝いでチームメートたちと食事をした時には『ジャパニーズカルチャーでしょ?』と奢ってくれたりして(笑)。本当にいい先生でした」

 プロ1年目にはバイリンガルの勝久マイケルがヘッドコーチに就任。同様にバイリンガルで年齢の近い栗原ルイスも加わった。マクヘンリーだけでなく彼らにも教えを乞いながら、飯田は生きた英語を習得し、やり取りに困らないレベルのコミュニケーション力を身につけた。

 その力が特に生きたと感じた出来事を問うと、2021-22シーズンから2年間在籍した香川ファイブアローズ時代の話をしてくれた。

「ある試合のハーフタイムで、エースの(テレンス・)ウッドベリーがかなりフラストレーションを溜めていました。誰にでもそういう時はあるけれど、ウッドは大黒柱的な存在なので、1人で溜め込むのは良くないなと思って『ウッドはチームの核なんだから、どしっと構えててくれ』みたいなことを言いました。彼はベテランだし、プライドの高い選手だから『うるさい』って言われるかもなって思ったんですけど、僕の真剣さが伝わったのか『そうだよな』って、いろいろ思っていることを話してくれたんです」

 相手のことをより知りたい――。前編で紹介した現チームメートの長谷川技とのエピソードと同様、飯田のコミュニケーション力の根源にあるのはその強い思いであり、そこに日本人・外国人といった差はない。飯田のストレートな思いは“言葉”として相手に確かに伝わり、大きな信頼を生み、より大きな財産を飯田にもたらしていることだろう。

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