[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

女子ゴルフ完全V岩井千怜、驚異のメンタルを62歳コーチが解説「中3の時、タイで経験したこと大きい」

「刺激になったはず」 大学1年の弟は関東アマで2位に5打差の完全優勝

 わずか6年後。千怜は日本のトッププロになり、明愛とともに海外メジャー2戦の出場権もつかんだ。ツアーで行動を共にする明愛との切磋琢磨も大きいが、初めての完全優勝の原動力は、2歳下の弟で、今月開催の関東アマチュア選手権を制した光太(日大1年)。永井さんはそう見ていた。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

「確実に刺激になっていたと思います。こーちゃん(光太)も初日から4日間、首位を1度も譲らず、最後は2位に5打差をつけた完全優勝でした。ステージは違いますが、ちーちゃんは『これ、私もやりたい。できる』と思ったはずです。そして、今回の優勝も2位に5打差をつけての完全優勝でした」

 そして、技術的には「結果が示す通り、とてもいい状態」と表現した。柔らかいテークバックから下半身リードで振り下ろし、左サイドにフォローを出す。大会アンバサダーの宮里藍さんも「とてもきれい」と感嘆した岩井姉妹のスイングは、2人を小3から指導する永井さんが構築したものだ。昨季終了後から今季開幕までも、2人は毎日のように永井さんのいるリンクスゴルフクラブに通い、スイングの状態を確認していた。だが、ツアーが始まってからは接する機会が少ない。理由は永井さんがツアーに同行していないことに加え、2人の調子が良いからだという。

「ちーちゃんは、予選落ちした開幕戦のダイキンオーキッドレディスのスイング動画を送ってきたので、『ダウンイングからインパクトにかけて、もう少しクラブが体の近くを通るように意識して』と伝えました。今季、技術指導はそれだけなんです(笑)」

 だが、宮里藍サントリーレディスの開催中にも、永井さんは姉妹とLINEのやり取りをしていた。永井さんは第3日終了後、終盤に2ボギーを打った千怜に「丁寧にゆっくり頑張ろう」、テレビインタビュー中に悔し泣きした明愛には「お疲れ様。信念を持って戦いましょう。信じて」などと記して送信。すぐに千怜は「はい」、明愛は「はい。上を向いて頑張ります」と返信をしてきたという。

 試合を重ねるごとに存在感を増す岩井姉妹。弟の光太も含めて、岩井家の勢いは目を見張るものがあるが、永井さんは前に出ず、リンクスゴルフクラブに居続ける。両親も含めて岩井家の人たちが、人として何も変わっていないことを明かした。

「長い付き合いですが、本当に素晴らしい家族です。姉妹はあきちゃん(明愛)が初優勝したKKT杯バンテリンレディス最終日の翌日に来ましたが、いつものように笑顔でたわいのない話をしました。これから海外でも試合をすることになりますが、このままずっと素敵な2人でいてほしいです」

 永井さんのスタンスは、「聞かれたら答えるアドバイザー」。姉妹にとっても“心のオアシス”になってる62歳は、今後も2人と光太を見守り続ける。

(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集