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初来日で「日本人の親切に触れた」 メキシコ右腕をNPB挑戦へ導いた、元DeNA荒波翔との友情

メキシコ時代のバルガス(中央)と荒波さん(右)。日本の野球だけでなく文化についても言葉をかわした【写真提供:荒波翔】
メキシコ時代のバルガス(中央)と荒波さん(右)。日本の野球だけでなく文化についても言葉をかわした【写真提供:荒波翔】

コロナ禍で単身来日、BCリーグの茨城アストロプラネッツへ入団

 荒波さんはバルガスから、野球のレベルや練習環境、外国人選手の待遇や、日本の文化や生活になじめそうかとも尋ねられた。

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 シーズン途中の6月に荒波さんはモンテレイとの契約を解除されたが、日本に帰った後もSNSでメッセージのやり取りは続いた。2年後、日本で2人は再会した。引退してDeNAのアカデミーコーチに就いた荒波さんは、BCリーグの神奈川フューチャードリームスでコーチも始めていた。バルガスが同じBCリーグの茨城アストロプラネッツへ入団することが決まり、2021年5月にチームへ合流したからだ。

 バルガスは「リスクはあるが、NPBにつながるので」という決断だった。2020年は新型コロナウイルスのパンデミックでメキシカンリーグは中止になった。

「2020年は東京オリンピックの予定で、元々、メキシコ代表としてオリンピックを戦う気持ちが強かった。それが結局、延期でなくなった。ただ、試合がなくてしっかり休めたので、気持ちと体がマッチして良い状態になり、もう少しレベルの高いところでやりたいと思っていた」

 NPB入りの確約はないまま、コロナ禍で家族を残して単身での来日だった。

「日本に来たいという気持ちがそこまで本気だったとは驚いた」と荒波さんは言う。

「冗談を言う選手はいましたから。NPBで活躍できればメキシコで稼げないくらいの金額がもらえると分かっていて、『日本に連れてってくれよ』とか。それに、野球をする環境がいいとバルガスに伝えたのはNPBの話で、独立リーグは違うので、僕も勧めはしなかった」

 それでも独立リーグから挑戦したバルガスの本気度は、自らがメキシコに渡った時の気持ちと重なった。チームは違ったが、常に気にかけていた。

 なかなかNPBの球団からは声がかからなかった。5勝2敗、防御率1.60という成績を残し、7月の東京五輪に向けたメキシコ代表のキャンプに参加するため、茨城を一時退団して帰国することになった。NPB入りが思い通りに進まないバルガスから、少し弱音も聞いていた荒波さんは励ました。

「オリンピックもあるから、そこでアピールしたら可能性はあるよ、って伝えてメキシコへ送り出したんですけど、ホントにそうなった」

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