指名漏れから1年、「久留米のギータ」は四国の本塁打王に 23歳井上絢登のNPBへの渇望
ハマれば大化けする素材型「三拍子そろった選手になりたい」
リーグ戦は主に1番を託され、本塁打を量産。34試合に出場した前期だけで7本塁打を放ち、6月のソフトバンク3軍との交流戦でもアーチを描いた。
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社会人野球ではなく、徳島を選んだのは、夢への最短ルートを考えたから。「どうしてもプロに行きたいというのが一番。同世代もいろんな選手がプロに行っているのを見て、負けられないと」。独立リーグならではの環境な過酷も「そんなに大変とも思わなかったです。自分でご飯を作ることくらい」と笑い、水に合った。
フルスイングが信条というと、三振か本塁打か、という打者を想像するが、決してそんなことはない。
「もしNPBに指名されれば、トリプルスリーを狙えるような三拍子そろった選手を目指したい」と夢を描くように、やみくもにバットを振り回すだけでなく、コンタクト力も長けている。50メートル6秒1でリーグ戦10盗塁を記録する俊足を併せ持ち、センターも守る。NPBに行っても、ハマれば大化けするタイプの素材型だろう。
フルスイングの魅力を問うと、こう表現した。
「打席の中で、やっぱり一番楽しいんです。(良い)雰囲気が自分の中で出てくると一番楽しめているし、それが自分にとっても一番良いこと」
そのオンリーワンのスイングで、NPBの舞台でアーチを描くことを夢見ている。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)