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公務員も考えた大学生が卒業半年でNPB注目に 人生が激変した23歳茶野篤政という原石

10月20日に行われるプロ野球ドラフト会議で、異例の10年連続指名がかかる独立リーグ球団がある。四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックス。多くの名門大学、社会人チームを凌ぐ、驚異のNPB輩出率を誇るチームには、今年も多くの原石が揃う。「THE ANSWER」はその中から、注目選手4人をピックアップ。第2回は茶野篤政外野手。大学時代は公務員試験も考えた男は、徳島で才能が開花。一躍、スカウトに注目される存在になった。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

大学卒業後に才能が開花、半年でNPB注目選手になった徳島インディゴソックスの茶野篤政【写真:徳島インディゴソックス提供】
大学卒業後に才能が開花、半年でNPB注目選手になった徳島インディゴソックスの茶野篤政【写真:徳島インディゴソックス提供】

徳島インディゴソックス NPBドラフト注目選手特集第2回・茶野篤政外野手

 10月20日に行われるプロ野球ドラフト会議で、異例の10年連続指名がかかる独立リーグ球団がある。四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックス。多くの名門大学、社会人チームを凌ぐ、驚異のNPB輩出率を誇るチームには、今年も多くの原石が揃う。「THE ANSWER」はその中から、注目選手4人をピックアップ。第2回は茶野篤政外野手。大学時代は公務員試験も考えた男は、徳島で才能が開花。一躍、スカウトに注目される存在になった。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 大学卒業半年で一変した自分の人生に、誰よりも自分が驚いている。

 取材中、茶野篤政は自らが「ドラフト候補」と呼ばれる現状を、何度もこんな言葉で表現した。「想像以上」「びっくり」「正直、こんな状況は想定してなかった」……。自分の想像を超え、驚き、想定外の状況を作り出した成長力は、この男の魅力でもある。

「徳島に来るまで(メディアなどで)自分が取り上げられるなんてなかったです」と言う通り、大舞台とは無縁の野球人生だった。

 小1から野球を始め、中京学院大中京高(岐阜)3年夏は控えで代打出場のみ。1年秋からレギュラーとなった名古屋商大でも全国大会に縁はない。転機は進路を決める大学4年の秋。「まだ硬式野球を続けたい」。模索した社会人野球の道は決まらず、コーチの勧めもあって徳島に挑戦した。

「徳島に行く以上はNPBを目指す」。そう心に決めた。NPBを目指すから徳島に行く、多くの独立リーガーとは動機の順序が異なる珍しいタイプだ。

 しかし、この選択が茶野を変えた。

「周りも全員、NPBを目指している。一人一人が意識を高く持ってやってるので、そういう意味で凄く良い環境でした」

 一番の武器は足。大学時代に計った50メートルは6秒0。「今はそれよりも速くなっていると思う」。大学時代は刺されたくないあまり、リードは決して大きくなかった。橋本球史コーチに「自分の最大まで出て距離を稼げ」とアドバイスされ、考えを一変。初球から積極的に走り、目下リーグ戦2位の30盗塁と走りまくった。

 とはいえ、塁に出なければ足も生かせない。150キロの速球を投げる投手も珍しくない独立リーグ。打撃フォームから無駄な動きを徹底して減らし、始動を見直した。6月のオリックス2軍との交流戦では本塁打を含め、4安打の固め打ちを披露するなど、打撃が開眼。安打を量産し、リーグ戦でも打率.336で首位打者をひた走る。

 主に右翼を守る守備を含め、NPBからすれば、打って走って守れる、チームに一人は置いておきたい存在だ。

 一躍、スカウトの注目株になり「もちろん、実力は全然まだまだなんですが、こんなことになるとは……」と驚きを隠せない。

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