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世界2位フランス戦で輝けるか ラグビー日本代表、23年W杯へ期待される2人の新星

攻守に充実のライリー、昨秋から一段階ギアアップ

 防御について、ライリー本人は「ディフェンスは、2週間みんなで一緒にハードワークしてきた。今日は上手くいったと思う。いい方向に向かっている」と自信を見せた。後半19分にもウルグアイのオープン攻撃を好タックルで止めると、そのままラックに入り、相手の球出しを遅れさせるワークレート(仕事量)の高さもアピール。自慢のアタックでも、ウルグアイBK(バックス)のファンブルボールを、CTB梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)が蹴り込んだのに鋭く反応。防御との追走に競り勝ち、ゴール前でボールを捕球してインゴールに飛び込んだ。他にも派手さはないが、相手防御に体をターンさせてコンタクトを受けることで、体の芯へのタックルをさせず、結果的に2歩、3歩と前進することで攻撃の勢いを殺さないプレーなど、細かいスキルを随所に見せた。

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 2019年W杯で活躍したCTBラファエレ・ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ)が今回はNDSに降格され、そのまま代表復帰を果たせなかった。対照的に代表2シーズン目のライリーの、この試合での攻守の充実ぶりには目を見張らされる。ライリー自身も「1年目は学んでいたというわけではないが、テストマッチがどういうものかを経験しながら感じていた。ここからもっと経験を積んで進化していければいいと思う」と、昨秋の“慣らし運転”から一段ギアを上げた2シーズン目への思いを語った。

 15か月後のW杯へ向けて、新生ジャパンの中心として期待が高まるライリーだが、7月2日(豊田スタジアム)、9日(国立競技場)に迎え撃つフランス相手にどこまで通用するかが試金石になる。

 攻守に圧倒的なポテンシャルを見せたライリーに加えて、第一関門を乗り越えたと印象づけたのが、同じ埼玉WKで新司令塔候補のSO(スタンドオフ)山沢拓也だ。自ら蹴ったチップキックを捕球してのトライなどの奔放さは、この試合では抑え気味だったが、自陣ではエリアを押し返す距離を稼ぐキック、ミッドフィールドでは相手にプレッシャーをかける攻撃的なキックと、代表戦で求められる堅実なプレーを披露。序盤戦で決めた中央左48メートルのロングPGも国際級の“足”を印象付けた。国内リーグではファンタジスタというイメージで見られがちだが、キック処理のバッキングアップや、ほぼステップなしで50メートル飛ばすキックパス、レシーバーを減速させない位置に放り込む正確なパスなど、細かなプレーでの資質を見せた。

 2017年以来のテストマッチに山沢は「気持ちはファーストキャップくらいの感覚だったが、自分がやるべき仕事はそれなりにできたと思う。エリアマネジメントを一番フォーカスしていたが、失点を抑えられたし、良かったと思う」と手応えを感じている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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