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「あっ、手が出た」 日本代表GK対談、西川周作の1本のセーブに楢﨑正剛が感じた変化

西川が考えるGKの魅力「GKは試合の流れを変えられる素晴らしいポジション」

楢﨑「というか逆に周作が35歳と聞いてビックリしたよ。まだ26歳くらいかなと思っていた(笑)。見た目も全く変わらないしね。それに実際の見た目だけではなく試合映像を見ていて若く感じるから大丈夫。年齢のことは気にせず頑張ってほしい」

西川「26歳はちょっと(苦笑)。でも今も頑張れているのはナラさんが積み上げてきた試合数を目標にしているからという部分が大きいです。今年500試合出場という節目を迎えたけど、だからこそナラさんの631試合という数字の偉大さをあらためて感じました。これからの努力次第で僕の数字は変わっていくと思うので、これからも日々精進して1試合ずつ数字を積み重ねていきたいです」

楢﨑「僕が現役の時は伊東輝悦さん(現・アスルクラロ沼津)や山田暢久さんが前を走っていて、数字が近づくとメディアに質問されるんだよね。実はめちゃくちゃ意識しているのに『気にしていません』って答えたり(笑)。たぶんそこまで自信を持てていなかったと思うし、試合に出るだけはなく中身がともなっていないと。だから周作には記録とともに記憶に残るプレーヤーになってほしいし、チームを勝たせて優勝させてほしい。数字に関してはどんどん抜いていってほしい(笑)」

西川「ありがとうございます! ナラさんのように憧れてもらえるような選手になれるようにこれからも頑張ります。GKは少年少女にとって怖かったり、痛かったり、失点の責任を背負うといったネガティブなイメージがあるかもしれませんが、GKの楽しさを伝えていけるような存在になりたいです」

楢﨑「自分が長年やっているからこそ苦しさだけではなく楽しさも知っているよね。日本のGKは世界と比較してレベルが低いと言われるけど、そんなことはないと伝えたい。引退して強く思うのは、周作のような現役選手が働きかけてくれることの価値。引退した人間よりも影響力が大きいから、これからも『ONE1-GK』(ワンゴールキーパー)のような活動は積極的に行ってほしい。もちろん一番は実際の試合でパフォーマンスを見せることだと思うけど、日本のGKレベルを向上させていけるようにお互い頑張りましょう」

西川「GKは試合の流れを変えられる素晴らしいポジションですよね。攻撃でもワンチャンスで得点につながるパスを出せるし、僕はゲームメーカーだと思っています。あのGKがボールを持てば何かが起きるということを期待して見てもらいたいです」

楢﨑「今日は忙しいなか、本当にありがとう。これからも浦和でシャットアウトを続けてほしいし、若手の勢いに負けることなく僕の数字を超えていってください。そして、また『月間ベストセーブ』に選びたくなるようなプレーを期待しています!」

西川「ナラさん、今日は本当にありがとうございました。また僕のプレーを選んでもらえるように頑張ります!」

■楢﨑正剛 / Seigo Narasaki

 1976年4月15日生まれ、奈良県出身。1995年に奈良育英高から横浜フリューゲルスに加入。ルーキーながら正GKの座を射止めると、翌年にJリーグベストイレブンに初選出された。98年シーズン限りでの横浜フリューゲルス消滅が決まった後、99年に名古屋グランパスエイトへ移籍。2010年には、初のJ1リーグ優勝を経験し、GK初のMVPに輝いた。日本代表としても活躍し、国際大会では2000年のシドニー五輪(OA枠)、02年日韓W杯などに出場。19年1月に現役引退を発表し、現在は名古屋の「クラブスペシャルフェロー」に加え、「アカデミーダイレクター補佐」および「アカデミーGKコーチ」を兼任。21年からはJFAコーチとしても活躍している。

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