[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「人生で一番辛かった」ベトナム挑戦 松井大輔が綴った9か月のすべてとフットサル転向

「チャレンジ、という感覚はない」と語る【写真:窪田亮】
「チャレンジ、という感覚はない」と語る【写真:窪田亮】

フットサル転向は「自分が楽しいと思える道がそこにあるから突き進んでいるだけ」

 さて、僕が次に選んだ道はフットサルです。もしかしたら驚いた人が多かったかもしれませんが、オファーをもらった時の僕は意外と冷静でした。「へー、フットサルか」というくらい落ち着いていました(笑)。その次にやってきた感情は「それも楽しいかもしれない」という高揚感で、とても前向きな気持ちで新たなステージに足を踏み入れました。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 とはいえ本格的なフットサル経験はありません。たまに地元の仲間で集まった時にフットサルコートでボールを蹴ったことやテレビ番組の企画でやったことはあるけれど、フットサルの技術や戦術を学んだのは今回が初めて。ボールを蹴る競技という意味ではサッカーと同じとはいえ、ゼロから覚えることがたくさんあって体の筋肉以上に頭の中がパンパン(苦笑)。でも20代前半の選手たちに教えてもらってひとつずつ吸収していくのはとても新鮮で楽しいです。

 本当の意味でフットサル選手になるには1年くらいの時間が必要と聞きました(汗)。それでは困るので、僕としてはこれまでの経験を生かして少しでも早くフットサルという競技に慣れたい。足元のテクニックやフィーリング、イマジネーションといった部分は生かせるはず。それとサッカー的な動きや戦術、経験を融合させることで力になれるかもしれない。

 ただ、ほとんどの選手はフットサル以外に仕事をしているので、練習開始が朝6時とめちゃくちゃ早い。4時半に目覚めて、バナナを1本かじり、5時に家を出ています。カズさん(三浦知良/現・横浜FC)主催の自主トレは6時スタートだったので5時半起きでした。さすがに4時半起きの練習は初めての経験です(苦笑)。

 練習が8時に終わってから併設されているカフェでカレーかペペロンチーノを朝食として食べます。昼も夜も普通に食べて、寝るのは20時くらい。もともと夜は早く寝るタイプなのでリズムはあまり変わっていませんが、起床時間が早まったので睡眠時間はちょっとだけ短くなりました。フットサルをやってから1日が始まるようなイメージで副業もOKなので、練習が終わってから指導の現場に行くウルトラCも可能なんです。

 ちなみに今週は練習後にサッカーのY.S.C.C.横浜で2回練習してきました。フットサルの練習は走行距離がだいたい3kmくらいで、サッカーは5~8kmくらいと言われています。僕はロックダウンや隔離でしばらく体を動かせていなかったので、コンディションを上げるために追い込んできました。さすがに体がバキバキになったけど、この年齢になると限界をちょっと超えるくらいの練習をやらないといけない。カズさんが若手よりもたくさん練習している理由がよく分かりました。

 改めて人生は何が起きるか分からないものですね。今から10か月前、僕はベトナムで引退する覚悟で海を渡る決心をしました。それなのにこうして全く違う世界で新たな道を歩み始めているのはとても不思議です。36歳でポーランドへ行き、39歳でベトナムに行って、今度は40歳でフットサルの世界に飛び込みました。僕を必要としてくれてオファーをいただけるのはとても光栄なこと。与えられた舞台で輝いて、見ている人をワクワクさせたい。

 周囲の人はこの歩みを「チャレンジ」と表現しますが、僕自身にそういった感覚はありません。自分が楽しいと思える道がそこにあるから突き進んでいるだけです。これからも新しいことや将来的にプラスになると感じるものがあれば意欲的に突き進みたい。そして自分自身が楽しんでいきたい。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
DAZN
Lemino
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集