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【THIS IS MY CLUB】 「勝つことよりも大事なことがある。僕はそこにこだわりたい」 八戸・上形洋介の覚悟

八戸は2018年、J3のライセンスを取得した【写真提供:2014VANRAURE HACHINOHE】
八戸は2018年、J3のライセンスを取得した【写真提供:2014VANRAURE HACHINOHE】

目標のJ2昇格へ「今季はゴール前ではエゴイストになりたい」

 時を同じくして、節目となる出来事がもう一つあった。3月23日、第一子となる長女が誕生。父親となり、心持ちが変った、と話す。

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「生まれたばかりの長女は、当然、自分のパパがどういう仕事をしているかはわかりません。やっぱり、娘にはカッコいい姿を見せたい。パパはサッカー選手なんだと理解できるようになるまで、頑張ろうという気持ちが沸き上がりました」

 娘にミルクを与える姿も動画でアップされていたが、最近は僕の手から飲んでくれなくて寂しい、と上形。「日焼けしちゃったせいか、ちょっと怖いみたいです(笑)」。

 さて、八戸は2018年、J3のライセンスを取得。19年、J3に参戦するチームは補強にあたり、栃木SCから上形を獲得した。八戸は10位でシーズンを終了したが、上形自身はチームトップの11得点を記録。とはいえ、「いい結果を残した」と単純に言えるほど順調だったわけではなかったようだ。

「シーズン当初はスタメンでの出場が続いたが、途中からベンチスタートが多くなり、正直、精神的にきつい時期もありました。流れが変わったのは、頭を動かすより体を動かそう、と気持ちを切り替えてからです。まずは自主練を始めた。しばらくすると体が動くようになり、途中出場からゴールを決められるようになった。僕はこれまで、途中出場から得点することができない選手でしたが、シーズン終了時には総得点の約半数を途中出場で決めていました。悩んだ時期もあったが、結果的には成長できたシーズンだと思います。

 一方、中口監督からは、『(ゴール前では)もっと自分で脚を振れ』と言われています。これまではいい形でボールが回ってくると、自分もいい形でつなごうとしがちだったが、やはり自ら決めるのがFWの役割。今季はゴール前ではエゴイストでありたい」

 自身に課した目標は、昨年を上回る得点。チームとしては勿論、自動昇格圏内だ。

「中口監督になり、選手も入れ替わり、サッカーが変わった。今は、僕たちのサッカーがどのぐらい通用するのか楽しみです。今季は攻撃も守備もアグレッシブ。FWの僕がゴールまで守備に回ることもあれば、DFの選手がゴール前まで点をとりにいくこともある。推進力を持ったチームになっていると思います」

 リモートマッチ後も、しばらくは入場制限付きの試合が続く。スタジアムで観戦できるのは限られたサポーターとサッカーファンだけとなるが、現地に足を運べない分、他チームの試合をテレビで観戦するファンも増えるだろう。また、コロナ禍を経て、人々の行動も確実に変化している。J2、J3といったチームは、新たな地元ファンを獲得するチャンスともいえる。

「そうですね、今季は多くの人にヴァンラーレを知ってもらえるよう、いいサッカーをみせたい。J3ならではの魅力? ……何だろう、僕はJ2でプレーした経験もありますが、J2はシーズン後半になると、降格争いもかかってくるし、すごく試合がかたくなるんですよね。でも、J3には降格がない分、最後までかたくなることがない。実際、5-3などJ1、J2ではなかなかないスコアの試合が結構、ある。悪く言えば大味。でも、よく言えばエキサイティングな試合が多い点が魅力です」

 今季のチームスローガンは「無限大」。全員の力で前へ、前へ。八戸は推進力を体現するサッカーで、無限の可能性に挑む。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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