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本拠地どうする?日本代表との協力は? ラグビー新リーグ会見に感じた懸念と違和感

2021年にトップリーグ(TL)に替わり開幕を目指すラグビーの新リーグに関するZoom会見が11日に行われ、日本ラグビー協会理事で新リーグ法人準備室の谷口真由美室長が現状の説明と質疑に応じた。1月に行われた会見では4月末に設定されていたチーム側からの参入への意思表示の期限が、6月末に延ばされるなど新型コロナウイルスの影響を受ける中で、来年に予定されている新リーグの開幕へ向けた課題も見えてきた。

ラグビー日本代表【写真:Getty Images】
ラグビー日本代表【写真:Getty Images】

新リーグ設立へ向けた会見、記者が感じた2つのきがかりな点とは

 2021年にトップリーグ(TL)に替わり開幕を目指すラグビーの新リーグに関するZoom会見が11日に行われ、日本ラグビー協会理事で新リーグ法人準備室の谷口真由美室長が現状の説明と質疑に応じた。1月に行われた会見では4月末に設定されていたチーム側からの参入への意思表示の期限が、6月末に延ばされるなど新型コロナウイルスの影響を受ける中で、来年に予定されている新リーグの開幕へ向けた課題も見えてきた。

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 この日の会見では、新リーグ設立の主な目的として下記の2点が挙げられた。

1:国内リーグを発展させ、世界との競争に打ち勝つ事

2:日本代表との共存共栄

 新リーグでは競争力を高めながら、各チームが活動拠点を軸に従来以上に普及、ファンサービスに取り組み、日本協会=代表強化、新リーグ運営法人=リーグ運営、発展という両輪を推進することになる。説明を聞く中で気がかりに感じたことが2点あった。ホストエリア・スタジアム問題と、代表・協会とチームの協力関係に伴う方針だ。

 まずは、新リーグ参入の条件になるホストエリア、ホストスタジアムの問題だ。「ホスト」とは他競技における「ホーム」を意味している。例えばヤマハ発動機なら磐田市(静岡県)がホストエリアであり、ヤマハスタジアムがホストスタジアムになるのだろう。ここで問題になるのは、企業スポーツとして発展してきた日本の社会人ラグビーでは、本拠地が東京などの都市圏に集中していることだ。今季のTL参画16チームを見ても、地域分布は下記のような状態だ。

東京 5(リコー、サントリー、東芝、キヤノン、日野)
首都圏 4(クボタ、NTTコミュニケーションズ、NEC、三菱重工相模原)
大阪・神戸 2(NTTドコモ、神戸製鋼)
それ以外 5(パナソニック、ヤマハ発動機、トヨタ自動車、ホンダ、サニックス)

 東京などに多くのチームが集中するために、ホストエリア・スタジアムをどう位置付け、認めていくのか。この質問に対して谷口室長は、こう回答している。

「もちろん共同でスタジアムを確保して頂いたり、ホストエリア名をどうつけて頂いてもよいと考えているのですけど、セカンダリーのエリアを持っていただくのは可能かというお話を提案しています。(規約上)ホストエリアでの試合が24年度以降は80%となるのですが、そこをホストエリアの試合とみなしますということで、例えばホストエリアで80%の試合ができなくても別のところでも馴染みがあるという形であればよいのではないかと思っています。そういう考え方で、スタジアム確保が難しいチームにもなんとか違う方法を考えられたらと思います」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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