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部活バスケより「個人の判断」を重視 Bリーグ川崎ユースが追求する、自立した次世代選手の育成

目の前にスペースがあれば「自分の判断で仕掛けてOK」

 選手たちに高い自主性を求めることも川崎アカデミーの特徴だ。コーチ陣は4歳児を指導する時から『Make the Leader、Make the Smile』というコンセプトのもと、自ら行動し、自ら考えられる選手の育成を追求している。

 U18の村岡史哉ヘッドコーチ(HC)はこう話す。

「選手たちには日頃から『バスケットにおいてはチームの判断より個人の判断を優先しよう』と言っています。チームで指示していたプレーの遂行中であっても、目の前のスペースが空いているならば自分の判断で仕掛けてOKという考え方です。『一生懸命作戦を追いかけるのはいいけど、君、今ノーマークだよね』っていうこと、けっこうあるじゃないですか。オフコートでは『意志を表示しなさい』とよく言っています。選手以前に人間として自立できないとコートでも自立できないと考えているからです。オフコートでのこういったあり方が『自走できる選手』につながってくると考えています」

 岩﨑ADも続ける。

「部活動のバスケは『画一的な課題を与えられ、それを徹底して遂行する』という側面が強い印象がありますが、僕たちは個人の判断も必要だと考えています。コーチ陣が専門的なものをちゃんと勉強して、選手に提供して、その中から選手に選んでもらう。1本のレールを敷くというよりは、いくつもの分岐を提示して『選んでいいよ』とすると言いますか。インテリジェンス的な要素を養うのが僕らのやっていることです」

 全敗に終わった2019年のワールドカップで、男子日本代表は「準備してきたプレーを封じられた時に対応できない」という大きな課題に直面した。また、今年2月の世界最終予選でパリ五輪出場を決めた女子日本代表の恩塚亨ヘッドコーチは、現代バスケは試合開始5分で戦術が看破されるので、その状態で展開される勝負に勝つことが肝であると語っている。

 イレギュラーな状況に自分できちんと答えを出し、それを打破できる、精神的に独立した選手――。それは川崎に限らず、日本バスケットボール界全体に求められている選手像でもある。

[川崎ブレイブサンダース公式サイト]
https://kawasaki-bravethunders.com/

(青木 美帆 / Miho Aoki)

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