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1分30秒差で箱根5区なら「往路優勝も見える」 創価大監督、異例編入の3年吉田響に絶大な信頼

今年度の大学駅伝シーズンも佳境を迎え、毎年1月2日と3日に行われる正月の風物詩、箱根駅伝の開催が近づいている。前回大会王者で今季も10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制し、史上初の2年連続3冠を狙う駒澤大を止めるのはどこか――。「THE ANSWER」では、勢いに乗る“ダークホース校”の監督に注目。今回は出雲2位、全日本6位と今シーズンの大学駅伝で好成績を残している創価大の榎木和貴監督に、独自の指導論について聞く。勝負の箱根駅伝に向けて、注目を集めるのが今年度に編入した3年・吉田響の存在だ。東海大1年時の2022年箱根駅伝で5区を走り、7人を抜く区間2位の快走を見せた。山のスペシャリストの加入がチームに自信を与えており、往路優勝を虎視眈々と狙っている。(取材・文=佐藤 俊)

箱根駅伝で総合3位以内を目指す創価大。前半に実力者を揃え往路優勝した3年前の再現を狙っている【写真:創価大学】
箱根駅伝で総合3位以内を目指す創価大。前半に実力者を揃え往路優勝した3年前の再現を狙っている【写真:創価大学】

箱根駅伝「ダークホース校の指導論」、創価大学・榎木和貴監督インタビュー第5回

 今年度の大学駅伝シーズンも佳境を迎え、毎年1月2日と3日に行われる正月の風物詩、箱根駅伝の開催が近づいている。前回大会王者で今季も10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制し、史上初の2年連続3冠を狙う駒澤大を止めるのはどこか――。「THE ANSWER」では、勢いに乗る“ダークホース校”の監督に注目。今回は出雲2位、全日本6位と今シーズンの大学駅伝で好成績を残している創価大の榎木和貴監督に、独自の指導論について聞く。勝負の箱根駅伝に向けて、注目を集めるのが今年度に編入した3年・吉田響の存在だ。東海大1年時の2022年箱根駅伝で5区を走り、7人を抜く区間2位の快走を見せた。山のスペシャリストの加入がチームに自信を与えており、往路優勝を虎視眈々と狙っている。(取材・文=佐藤 俊)

 ◇ ◇ ◇

 来年1月2日と3日に、第100回箱根駅伝が開催される。記念大会として例年よりも注目度が高まる中、創価大は総合3位以内を目標に箱根路を走ることになる。出雲と全日本を制した駒澤大の“1強”と言われる中、創価大はどのように目標を達成しようと考えているのだろうか。

――今年は出雲駅伝2位、全日本大学駅伝6位と安定した成績を残しています。

「今年の1番の取り組みがスピード駅伝への対応ということで、春先から7月まで5000メートルに特化した練習を積んできました。そのスピード強化を経て、夏に走り込みをし、出雲、全日本の結果に繋がったので、今年はチームも選手も成長を感じられるシーズンになっています。そうした取り組みが可能になったのは、昨年の全日本大学駅伝でシード権を獲ったことが大きかったです」

――今季の成長は、6月の全日本の予選会回避がポイントになっているのですね。

「毎年6月に予選会突破のために1万メートルを走れる人材を作るのは、選手層が厚くないうちにとっては大きな負担になります。昨年、全日本に出るからには、シードを獲って予選会を走らなくてもいいチームにしようという話を選手にしました。それは駒澤大や青学大といった常連校と同じ流れで強化できることに繋がっていくからです。

 実際、2、3年前と比較しても今年のポイント練習の質がかなり上がりましたし、スピードに特化した新しい練習メニューを取り入れて、その検証もできた。予選会を走らないことで、そういうことができましたし、それが駅伝の結果にも繋がっています」

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榎木 和貴

創価大 陸上競技部 駅伝部監督 
1974年6月7日生まれ、宮崎県出身。現役時代は箱根駅伝で史上7人目となる4年連続区間賞獲得など、中央大の主力として活躍。3年時の96年大会では4区を走り、32年ぶり14回目の総合優勝に貢献した。卒業後は旭化成に進み、2000年の別府大分毎日マラソンでは2時間10分44秒で優勝。その後は負傷にも苦しみながら沖電気、トヨタ紡織で指導者としての実績も積み上げると、19年に創価大駅伝部の監督に就任した。21年の箱根駅伝で往路優勝、総合2位とチームを過去最高成績へと押し上げる。今季も出雲駅伝2位、全日本大学駅伝6位と上位争いを演じている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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