55年ぶり箱根駅伝出場のカギは? 全日本予選“2分差”逆転へ、立教大監督が求める覚悟
選手1人ひとりの才能を見抜き、個を伸ばしていく陸上指導者の、独自の育成理論やトレーニング法に迫るインタビュー連載。就任4年目を迎えた上野裕一郎監督に率いられた立教大学陸上部の男子駅伝チームは、6月の全日本大学駅伝・関東予選会で約2分及ばず、本戦出場権を逃した。1968年以来55年ぶりの箱根駅伝出場を目指すなか、10月の予選会に向けた展望を聞いた。(取材・文=佐藤 俊)
連載「陸上指導者の哲学」、立教大学陸上競技部男子駅伝チーム・上野裕一郎監督インタビュー第4回
選手1人ひとりの才能を見抜き、個を伸ばしていく陸上指導者の、独自の育成理論やトレーニング法に迫るインタビュー連載。就任4年目を迎えた上野裕一郎監督に率いられた立教大学陸上部の男子駅伝チームは、6月の全日本大学駅伝・関東予選会で約2分及ばず、本戦出場権を逃した。1968年以来55年ぶりの箱根駅伝出場を目指すなか、10月の予選会に向けた展望を聞いた。(取材・文=佐藤 俊)
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立教大学陸上競技部男子駅伝チームは、10月の箱根駅伝予選会に向けて強化の最中にあるが、その前哨戦とも言える全日本大学駅伝の関東予選会が6月に行われた。20チーム中上位7位までに入れば、11月に開催される全日本大学駅伝の出場権を獲得することができるが、立教大は11位(4時間1分3秒)で、7位の日大(3時間59分4秒)との差は約2分だった。
レース後、上野裕一郎監督は珍しく長いミーティングを行った。
「全日本は、本当に悔しかったですね。予選突破できると思っていましたし、そのためにメンバーを選んだのですが……。林(虎太郎・2年)はシューズを踏まれて脱げたけど、スリッパ状態で走って7位だったんです。普通にいけばトップを獲れたと思いますし、関口(絢太・3年)らも上手くまとめてくれたんですが、1、2組目で終わってしまいました。予選会は勢いも必要で1、2組目にはプランを伝えて送り出したのですが……まぁ彼らだけを責めるわけにはいかないですし、このメンバーに入れなかった選手は、次は自分が走るんだという気持ちを持って、今後取り組んでほしいです」
全日本大学駅伝の予選会は10キロを6人で走り、タイムを加算して決められた。箱根駅伝の予選会は距離がハーフになり、12人が出走し、上位10人のタイムを加算して上位10校が箱根駅伝の本戦に進むことができる。現状、出走するメンバーは見えているのだろうか。
「Aチームの5、6人の選手は、自分たちが確実に走らなければチームとして成り立たないということが分かっていますし、勢いもあります。あとの6人というか、中間層ですよね。予選会や箱根に対して貪欲に、自分が絶対に走るんだという気持ちを持ってやっていけるか、ですね。ワンチャン狙っていきますとか、まぐれでもメンバーに入れればみたいな感じじゃダメです。箱根に出たいと言うだけじゃなく、出たいと思う気持ちを練習の取り組みや結果で見せてくれないと」