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「子供たちの発想を疎外してはいけない」 ラグビー元日本代表が描く理想の指導者像とは

理想の指導者は「物事をシンプルかつクリアに伝える」スキルが必要と箕内氏は考えている(19年夏撮影)【写真:荒川祐史】
理想の指導者は「物事をシンプルかつクリアに伝える」スキルが必要と箕内氏は考えている(19年夏撮影)【写真:荒川祐史】

コーチングに大切な要素とは…「シンプルかつクリアに伝えること」

 普段は日本ラグビー界の最高峰リーグでトップ選手を指導するが、子供たちと向き合うことで気付かされたことは多い。日本代表キャプテンとして2度ワールドカップに出場した猛者でも、「子供たちを教える方が難しいですよ」と苦笑いだ。

「トップ選手もそうですけど、自分の言ったことが100%正確に伝わるかといったらそうじゃない。その場ですぐに理解してもらえることもあれば、数回言っても正確に伝わっていないこともある。子供だったら、なおさらですよね。伝えたいことをシンプルかつクリアにしてあげないと伝わらないんですよ。

 さらに、子供を教える時はタイミングについて考えさせられることもあります。『今、伝えたことは、子供が成長する過程で本当に正しいタイミングだったのかな』とか、『もしかすると1か月後の方が響いたかな』とか、『もっと早く伝えてあげられたら良かった』とか。その成長に合わせて声掛けのタイミングを変えていかないと、こちらから押しつける形になってしまうので、子供は難しいですね」

 声掛けと同様に、スキル練習もまたタイミングが大切だという。

「僕が感じるのは、本当に正しい時期にスキルのコーチングをされているのか、ということ。小学生にスキル練習を教え込むのは早過ぎるのかなって思うんですよ。それよりも柔軟な考え方であったり、自分たちで問題を解決する能力、コミュニケーションを取れる能力を磨く方がいいのかなと思います。もちろん、個人によっても違うので、指導者はそこを見極めていかないと」

 箕内氏が考える理想の指導者は「物事をシンプルかつクリアに伝える」スキルを持った人物だ。それと同時に「柔軟な考えや姿勢」も必要条件だとする。

「我々指導者が柔軟じゃないと、子供たちも柔軟にはならないでしょう。指導者が焦っていろいろやろうとすると、子供たちも焦って受け止め方も変わると思うんですよね。楽しさという部分を大事にしたいし、子供たちにはいろいろ自由な発想があると思うので、それを疎外してはいけない。上手く引き出しながら、考えることを楽しんでもらえるようにサポートしていきたいですね」

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