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正しいのは“両利き指導か利き足指導か” 日本人育成コーチが世界の舞台で覚えた違和感

両利きの高崎氏が左足を意識して研ぎ澄まされた感覚

 ある時、鹿島アントラーズで行われた指導者研修に参加した高崎は、逆足でポゼッションをするテーマを与えられ実践していると、コーチから注意を受けた。

「しっかり言うことを聞いてくれよ」

 高崎は左足で自在にボールを操っていた。ブラジル人のコーチには、左は高崎の利き足に見えたのだ。

 以来高崎は、ピッチに立つと左足を意識してボールに触れるようになる。すると明らかに脳に響く感覚があり、どんどんボールタッチが研ぎ澄まされていった。

“そういうことなんだ……”と思った。そして川崎U-12の選手たちの前で、方針の変更を宣言する。

「すまん、みんなをもっと伸ばせる方法があった」

 子供たちの頭の中に無数の「?」が浮かんでいるような気がした。(文中敬称略)

(第2回へ続く)

[指導者プロフィール]
高崎康嗣(たかさき・やすし)

1970年4月10日生まれ。東京農工大学卒業、筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻修了。筑波大学コーチ、東京大学ヘッドコーチなどを経て、川崎フロンターレではU-18コーチ、Uー12監督などを歴任。U-12監督時代には、ダノンネーションズカップ国内大会を4年連続で制し世界大会に出場。三好康児、板倉滉、田中碧、久保建英ら、さまざまな年代で現在プロで活躍する多くの選手たちの指導に携わる。2016年からはグルージャ盛岡でヘッドコーチを務め、今年専修大学の監督に就任した。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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