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サッカーの練習に走りの“量”は必要なし オランダの無名指導者が変えた旧来の常識

無名の指導者の理論に耳を傾けたオランダと日本との絶望的な違い

 つまり1980年代頃までは、オランダでも日本と同じような量に偏ったトレーニングを行う傾向があったわけだ。

 だがオランダ協会は、疲労を蓄積せずにサッカーの特質に即して効果的なトレーニングを進める「ピリオダイゼーション理論」を取り入れたことにより、変わった。26歳で無名の指導者の理論に耳を傾けたオランダと、日本との絶望的な違いがそこにある。

「サッカーという競技の特性を考える時、常に100%の爆発力を引き出す必要がある。求められるのはアクションの頻度を維持することで、それを確認するのは決してクーパー走(12分間でどれだけ走れるか)ではなく、実際の試合になる」

 とにかく小さい頃からたくさん走って体力のベースを作ろうとするのは、日本の全競技に染みついた考え方で、今でもサッカーに限らず、野球のように速筋勝負の競技の現場でさえも長い距離を走らせている。

「現在のハイレベルのサッカーでは、多くのアクションが求められる。ただたくさん走らせるトレーニングは、速筋を遅筋に変えてしまい爆発的な動きができない選手を作る。次のアクションを起こせるまで時間を要し、低いテンポでしか動けない選手を養成してしまうことになる」

 日本にもせっかく指導者養成制度があるのだから、こうした根本の矯正から徹底していかなければ、育成の成果を望むのは難しい。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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