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「受験生」の肩書きを捨てて 偏差値72・膳所からインハイ出場、山田翔悟はすぐ夏期講習で勉強の夏へ

大会後はすぐ夏期講習へ、今度は勉強の夏が始まる【写真:荒川祐史】
大会後はすぐ夏期講習へ、今度は勉強の夏が始まる【写真:荒川祐史】

大会後はすぐ夏期講習へ 勉強量は「1日12時間と言われ…」

 自主自律と文武両道を標榜する学校で、陸上部の練習は週5日。3年生の今は午後6時に部活を終えると、塾に向かう。クタクタの体にムチを打って、家に帰った後も寝る前にさらに復習。「最近は夏期講習があって、インターハイまでは部活に集中していたけど、余裕があれば塾に行きます」

 そんな環境ながら成績は学年360人で30~40位につける上位クラス。得意科目は数学。難関国立大を志す。

「最初はすごく大変だったけど、2年生くらいにはもう普通になってきました(笑)。勉強で行き詰まると部活に走ったり、部活で成績が良くないと勉強やろうかみたいな」。勉強と部活を互いの支えにしながら、自分なりのカタチで文武両道を貫いた。

 膳所のグラウンドは1周350メートルの土。陸上強豪校と比べると、決して恵まれた環境とは言えないが、オンとオフの切り替えや練習の創意工夫、さらに互いにサポートし合うチーム力で才能を伸ばしてきた。

「陸上は自分との闘い。自分が一つの目標のために、チームのサポートもありながら頑張って。中距離は短距離に比べると練習がモノを言う。タイムに結果として出てくる」。そんな財産をもってスパイクを脱ぎ、今度はペンを持つ。

 滋賀に戻ると1、2日休み、すぐ夏期講習に没頭。「塾からは(必要な勉強量は)1日12時間と言われていますが、さすがにちょっと……(笑)。でも、陸上はキツイなかで絞り出す競技なので、受験勉強の時もそれを思い出しながら、ちょっとずつ勉強量も増やしていければ」と言った。

 陸上の夏の終わりは、勉強の夏の始まりである。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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