[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「豪華客船の船長になる」 1か月も船上にいた石原太洋、先に叶えたインハイ出場の夢

柔道の全国高校総体(インターハイ)は7日、競技2日目が行われた。鹿児島水産(鹿児島)の選手として10年ぶりに出場した石原太洋(3年)は、個人戦の男子66キロ級で初戦敗退だったが、目標としていたインターハイを経験。高校では1か月にも及ぶ船上実習などもあり、他校に比べ練習時間も少ない。そんな中で掴んだ全国の舞台を終え、今後は「豪華客船の船長になる」という将来の夢に向かって邁進する。(取材・文:THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

鹿児島水産の選手として10年ぶりに出場した石原太洋【写真:宮内宏哉】
鹿児島水産の選手として10年ぶりに出場した石原太洋【写真:宮内宏哉】

インターハイ柔道、石原は鹿児島水産の選手として10年ぶりに出場

 柔道の全国高校総体(インターハイ)は7日、競技2日目が行われた。鹿児島水産(鹿児島)の選手として10年ぶりに出場した石原太洋(3年)は、個人戦の男子66キロ級で初戦敗退だったが、目標としていたインターハイを経験。高校では1か月にも及ぶ船上実習などもあり、他校に比べ練習時間も少ない。そんな中で掴んだ全国の舞台を終え、今後は「豪華客船の船長になる」という将来の夢に向かって邁進する。(取材・文:THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 ◇ ◇ ◇

 九州南端の鹿児島県。西に浮かぶ甑島(こしきしま)が石原の故郷だ。人口約4000人、父は漁師としてキビナゴ漁に勤しんでいる。幼い頃から、海に興味が湧くのは必然だった。

 中学生になり、将来の夢を考えていた頃。鹿児島の港に偶然、大型の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」が停泊していた。「カッコいい、乗りたい」。世界一周できるほど大きな客船の船長になることを志し、鹿児島水産の海洋技術コースに進学することを決めた。

 柔道は5歳の時、親の勧めもあって始めた。中学3年で団体優勝を経験。個人でも県で3位になるなど実力はあり、高校のインターハイ出場はもう一つの夢。ただ、鹿児島水産は部員も少なく、今年は7人。さらに、海洋技術コースだと練習に制限も生じた。国語、数学など基礎科目のほか、専門教科を学ぶからだ。

 2年生の11~12月の約1か月間は、船上実習で鹿児島―静岡―横浜―長崎などを回った。この期間はトレーニング器具も持ち込めず、クラスが違うため船の上に柔道部員もいない。自重トレーニングで鍛えるしかできなかった。カツオ一本釣りの実習などもあり、度々海に出ることから練習時間はおろか、試合の機会もなかなか作れなかった。

 1年夏のインターハイ予選は、コロナ禍のため中止。公式戦初出場は、1年冬の選手権だった。2年夏のインターハイ予選で県ベスト8となったが、それ以降は公式戦に一切出られず。「めちゃめちゃ不安だった」という1年ぶりの舞台で県大会優勝を掴み、最後の最後にインターハイ本戦出場を決めた。

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集