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「試合に出ていた奴だけの悔しさにしたくない」 関東第一、指揮官がこぼした涙の訳

「勝ちたかった。せっかく、ここまで先輩がつないできているチームだから…」

 後半の立ち上がり、立て続けに右サイドを破られて連続失点を喫したが、サイドチェンジを受けたFW重田快(3年)がドリブルで守備網に風穴を空けると、篠原の代役を務めたMF佐藤誠也(1年)が右足でカーブを描く鮮やかなシュートをゴール右上に突き刺して1点差に追い上げた。しかし、その後も3度の決定機を作るなど猛反撃を仕掛けたが、わずかに一歩及ばなかった。

 間違いなく、善戦した。しかし、その評価が胸のどこかを突いた。

 小野貴裕監督は「たぶん、去年の……。ああ、何か、上手く言えないな……」と言葉を選ぶうちに表情をゆがませ、目元を潤ませた。

「ここでもう少し勝てると、去年の先輩の負けとかも、唯一、市立船橋に負けた(だけな)んだって言ってあげられるんでしょうけど。こうやって後輩が頑張れると、先輩の負けも評価してもらえるのかなと思う。先輩のためには、何とか勝ってあげたかったですよね。昨年は選手権も(全国大会に)行けたし、インターハイも市立船橋に負けただけ。それが2回戦だったけど……」

 指揮官は、懸命に言葉を続ける。

「ここでもっと(試合を)やれたら、去年の選手も(2回戦敗退程度の力ではなく)もっと評価されるし、今年の選手ももっとできるようになるし、これから来る選手ももっと自信を持って来れる。チームのためには、勝ちたかった。(選手が)すごくよくやってくれているのが分かるから……。せっかく、ここまで先輩がつないできているチームだから。先輩が全国に出ていなければ、3年連続で市立船橋と戦うこともなかった」

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