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「青森山田を倒すためにやってきた」 前橋育英、悲願のリベンジ呼んだ闘志の“源”

「次で負けたら意味がないし、青森山田にも失礼。勝ったからには日本一」

 試合は、先制を許した前半は相手のペースだったが、前半終了間際に追いつくと、後半は猛反撃。特に、後半を自分たちのボールで開始すると、一気に敵陣へ突進した。

 後半から投入されたFW飯島陸(3年)が相手に弾き飛ばされたが、すぐさま味方がフォローし、そのまま前進。左コーナーキックを獲得すると、MF田部井悠(3年)がニアサイドに蹴り込み、混戦からMF塩澤隼人(3年)が押し込んで逆転。さらに後半25分には、J1アルビレックス新潟への加入が内定しているDF渡邊泰基(3年)の攻撃参加でサイドを破り、FW榎本樹(2年)がダメ押しの3点目を奪って勝利を決定づけた。

 セットプレーのキッカーを務めて2点を演出したMF田部井悠は、「この半年は、青森山田を倒すためにやってきたと言っても過言ではない」と回想。試合のペースが一変した後半について聞くと、山田監督からハーフタイムに「この試合は、勝たなければ意味がない。4人まで交代できるから、前線(2トップと両サイドハーフ)の4人は潰れてもいいから走れ」と喝を入れられたことを明かした。

 後半は、積極的な攻撃参加や、中盤のセカンドボールの回収が向上。相手に挽回の余地を与えない強い勝ち方を見せた。ただし、怖いのは“燃え尽き症候群”だ。田部井悠は「次で(簡単に)負けたら意味がないし、青森山田にも失礼。勝ったからには、日本一。絶対に日本一を取りたいです」と話した。

 8月2日に行われる準々決勝の相手は、京都橘(京都)に決まった。半年前、あと一歩で届かなかった日本一へ――。前橋育英は突っ走る。

◇インターハイのサッカー男子は29日に幕を開け、7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。決勝は8月4日。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。

【了】

平野貴也●文 text by Takaya Hirano

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