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東海大相模・原俊介監督が明かす“涙の裏側” 自身初の甲子園決めついに満面の笑み「演技といえど…」

優勝の瞬間、マウンドに駆け寄り歓喜する東海大相模ナイン【写真:中戸川知世】
優勝の瞬間、マウンドに駆け寄り歓喜する東海大相模ナイン【写真:中戸川知世】

準決勝、決勝と連続で逆転勝ちできた理由「それが何より尊い」

 6-4というスコアは、23日に向上と戦った準決勝と一緒。8回に逆転したところまで同じだ。2日続けての粘り腰は、決して偶然ではない。「やはり昨日のゲームで、生徒自身が強くなり、私も強くなったんじゃないかと。それで今日に臨めたのが逆転を生み出したんじゃないか」と原監督。準決勝の試合後には、勝ったにもかかわらず涙を流したのを振り返り「昨日はヤバいと思いました。うわ、やられると思った瞬間がありました。それを跳ね返してくれたのは生徒」。選手たちの成長スピードには、驚かされてばかりだという。

「たった2年3か月しかない高校野球です。“夢中”という言葉がありますが、まさに夢の中で彼らは一生懸命やっている。この一生懸命さが高校野球では大事なんじゃないか、それが何より尊いものだと思います」

 その一生懸命な空気を引き出しているのが、原監督が時に見せる演技だ。この大会では勝っての涙が注目されたが、時には“わざと泣く”こともあるという。「たとえば春に、夏に向けてやろうという時は、ちょっとこう悔しさを出してもいい」。生徒の心を動かす一方で、過酷な監督業を乗り切るためのテクニックでもあった。

「負けたら切り替えないといけない。切り替えられない監督は難しい。やってみないとわからないと思いますが、他の人じゃ感じない心境がすごくある。これをひとりで処理しないといけないわけですよ。演技といえど、それで吹っ切れることもあるんですよ。そんな役者みたいなことはないんですが」

 東海大相模のOBでもある原監督は、1995年のドラフト1位で巨人に入団。2006年限りで現役引退したのち、2016年から東海大静岡翔洋で監督に就任した。さらに2021年秋からは名門・東海大相模の監督に。前任は春夏通じて4度の甲子園優勝を誇る門馬敬治監督で「中々うまくいかなかったときは、周りからいろいろ言われることも多いですけど」と、プレッシャーも並大抵のものではなかった。もう涙はいらない。胴上げで見せた心からの笑顔で、甲子園に乗り込む。

(THE ANSWER編集部)

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